デザートに学ぶ、心の時代に売れるモノ 10号

「デザート」から学ぶ、開発の極意。

−「お客様の心を掴むのは至難の業−
 我が社は長年デザートの専門会社として、「デザート」の企画、開発を手掛け、その間、多くの企画開発担当者を採用してきました。

 女性にとっては憧れの仕事とみえて、募集の都度100人近い応募があり、よくよく人選して採用してきたのですが、なぜか大半の人が短期間のうちに退職してしまいます。社長が悪いのは棚に上げて、なぜかと、改めて退職の原因を探ると、ほとんどが新しい企画開発に行き詰まってしまうのが原因でした。

 何を開発したら良いかは「お客様に聞け」と、教科書には書いてありますが、デザートをこよなく愛し、特別興味のある人達だから、きっと新しいアイデアを次々と考えてくれるだろう、と大いに期待をするのですが、その都度裏切られてしまうのです。

 やはり、教科書通りにはいかないのが現実です。これは、消費者も明確に答えられない潜在ニーズを掘り起こす開発がいかに難しいかを物語っています。


「デザート」開発は無限大。しかし、ヒット商品は一握り。
 デザートの世界もファッション業界に似たところがあり、トレンド、流行を比較的作りやすい要素を含んでいますが、実際に売れている商品は定番商品がほとんどです。

 新しく生まれる商品は一過性で終わるものが多く、ロングセラー商品として定番化するのはほんの一握りです。和菓子の世界で戦後最大の開発は「イチゴ大福」と言われる位、沢山新しいものが生み出されているようですが、なかなか定着しません。

 しかし、改めて「デザート」を構成する要素を分析してみますと、

 ・メイン食材   ・容器/器   ・加工、調理方法  ・組み合わせ素材

 ・演出小道具  ・盛り付け方、提供方法  ・つなぎ素材  ・その他飾り素材

などが、組み合わされて出来上がっています。また、日本には、季節、歳事に因んだ開発テーマなどがありますので、これらを組み合わせると無限大に広がっていきます。



 実際わが社でも、何百ものデザートを企画し、商品化しましたが、定着して売り上げを伸ばし続けているのは十品足らずです。それも事業を始めた初期の頃に開発したものがほとんどです。

 冷静に振り返ってみますと、その要因の中に、何か開発成功の極意が隠されているような気がします。

 「別腹、別勘定」と言われ、「心を満たしてくれるもの」として、消費者の厳しい目で選ばれる「デザート」。それらの消費者ニーズに応える商品開発は、非科学的ですが、開発者の心の中から湧き出てくるもの、魂のこもったものでなければ通用しないようです。

 つい初心を忘れて、小手先の開発をしがちですが、それではやはり訴える力が不十分で、そこそこの成果しか生まれません。

 また、せっかくいいアイデアを商品化したとしても、手塩にかけて育てる過程を踏まないと成功はお没きません。最近はスピードの時代、すぐに結果を求められ、それが故に薄っぺらな開発があまりにも多いように見受けられます。そういう私も経営者の立場になると、つい即戦力となる商品開発を社員に要求してしまい、反省しきりです。

「デザート」から得た教訓、「本物づくりに近道なし」。

 「デザートは“しゃれ”(洒落)」、開発する人間がもっと柔軟な発想で、遊び心をもって取り組まないとお客様の心をつかむ開発は出来ないし、より多くの人にその楽しさを伝える努力を根気強くしていかないと本物は創れないようです。

 コンサルタントとして、いろいろな業界の開発に携わった経験からも、商品開発、事業開発に限らず、やっぱり「本物作りに近道はない」ようですよ。(完)



内海悟

株式会社ミックビジネスシステム 代表取締役、マーケティングコンサルタト
株式会社デザート・カンパニー  代表取締役

* デザートの総合サイト「デザートマーケット.com」主宰
 https://www.dessertmarket.com


デザートのカリスマ
ビジネス社 1,365円


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日本経営合理化協会 出版局 TEL:03-3293-0041 

内海悟(イメージ) 内海悟(うつみさとる)

 1949年東京都生まれ。「開発」を専門とする異色のコンサルタント。
マーケティングの原理原則を元に、「実戦の開発」を行う独自の手法で、メーカー・加工業・商社・小売・建設・サービス…、多種多様な大中小100社以上の新事業・新商品・新ビジネスの開発指導で驚異的な実績をあげている。

 多くのコンサルタントが評論的であるのに対し、氏は常に最新の「開発」に携わり、膨大な数のヒット商品・新事業を成功に導いている。氏が手がけたもので、いま世にブームを起こしているもの、誰もが知るものも数多いが、コンサルティングの守秘義務上、表記できないことは非常に残念である。

 若干28才で、某商社の新商品開発チームの実行リーダーに抜擢され、年間40億円売る大ロングセラー商品を樹立。

 以来10年間、同社で、新商品・新事業開発を次々に成功させ、1985年、ミックビジネスシステムを設立。同社社長となる。

 「新事業・新ビジネス立ち上げ」は、社長の強烈な熱意がカギと主張し、現在、全国の大中小企業の新事業・新商品開発、新ビジネス立ち上げに、資材調達〜取引先開発〜ビジネスモデル開発〜広告宣伝…など、まさに企業に深く入り込む指導で東奔西走の毎日。

 また自らも、コンサルティング会社の他に、食品流通会社「デザートカンパニー」を設立。数年内に上場が見込まれる急成長企業の経営者としても活躍。まさに知行合一の人。

 氏は語る―「新事業開発・新商品開発には、原理原則がある」……。

 指導先には、驚異的なヒット率を誇る「定番×定番開発法」、3方両得の「コラボレーション事業開発法」…など、原理原則を踏まえつつ、スピードの時代に確実に事業を成功に導く黄金法則を指導。

 実際に社長、担当者と寝食をともにし、腹を割って語り合う本音のコンサルティングには、絶大な定評がある。

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