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8柿内幸夫の「社長の現場改善」150号 |
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「全体最適で考えよ」 |
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| 先日、小田急線ロマンスカーに乗りました。富士山がキレイに見えたので、先頭車両から写真を撮ってきました。 |
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●先頭車両からの風景です。富士山は大きくてどっしりしていて心が落ち着きます。
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| さて、先日出席したある会社の会合で、ご挨拶された方がとてもおもしろく素晴らしいことをお話しくださいました。私一人で感心しているのではあまりにもったいないので、この場を使ってお伝えします。 オバマ新大統領が “CHANGE” と言っておられますが、 “CHANGE” の中の “G” の文字から、真ん中の小さい “T” の形の部分を抜き取ると、 “C” になる。 すると、そこには “CHANCE” が現れる。そして、抜き取った “T” は、”Taboo” 「タブー」のTであるということでした。 すなわち、タブーと言われることを恐れずにチェンジ(変化を起こす)すれば、チャンスが来ると言うわけです。うまい、座布団10枚!! ただし実行すればです。しなければ、座布団は取り上げます。 ところで、先回は以下の「いま、社長がすべきこと」の4項目について、順番にご説明するとお約束しました。 ・全体最適で考える ・全員の力を総動員する ・情報を共有化する ・心を積極的に明るく持ち続ける そこで、今回は、一番目の全体最適についてお話します。 全体最適という言葉は、何となく分かったような気になりやすい言葉ですが、いざ、一般的な言い方で説明しようとすると難しいですね。 現場にいれば、具体的な例でお話しやすいのですが…。そこで、「全体最適」の逆の意味になる「部分最適」と比較しながら説明しますね。 例えば、今年の目標として社長から全員に対して、「みんなそれぞれ昨年より10%自分の仕事をよくしなさい。」と言われて、全員がそれぞれ頑張ったとします。 例えば製造部門は、労働生産性を10%上げることとし、生産スピードを10%速めることに成功しました。その結果、実際に必要な量をはるかに超えて生産がされたため、中間在庫が溢れてしまいました。 購買部門は購入単価を10%下げることとし、そのために1回のロットサイズを大きくしてまとめ買いを行い在庫が急激に増えました。キャッシュフローも悪化しました。 検査部門は、残業を減らして人件費を10%削減する目標を立てて実行しました。その結果、残業時間帯に生産された製品の検査は、翌日の午前中にされることなり、品質のフィードバックが遅れがちとなりました。 ちょっと分かりやすくするために、大げさな表現になっているかもしれませんが、これが部分最適です。それぞれの部署がすべて自分の目標を達成した結果、全体では前よりずっと状況が悪くなってしまったということです。 今の時代では、部分最適でいくら全部門が自分の目標を達成しても、全体で見ると良くならないということが多くなっています。作れば売れる時代であれば、それでもけっこう効果に結びついたかもしれませんが、今の時代ではダメです。 つまり、全体最適ということは、例えば全員で在庫削減という目標を立てます。在庫はすべての部門が集まって、どのようなやり方でどう変えるかをみんなで議論し、助け合って実行するということです。 その結果、製造部門は能率が上がらないかもしれません。必要以上は作らないからです。 購買部門の一個当たり単価は下がりません。必要な数だけチョビチョビ買うからです。 検査部門の人件費も下がらないかもしれません。製造部門と同じ時間体制になるからです。 しかし、それぞれの部門で思ったような効果が出なくても、全体では在庫が減り、その結果として全体的な効果が現れ、結果として大きな成果が生まれます。 そして、このようなやり方で全員で議論していくうちに、これまでのような、それぞれみんな別々に進めるやり方と違って、全員が一緒にやるので相乗効果が生まれ始め、当初目的の在庫が減るだけでなく、それぞれの部門のオペレーションも以前よりずっと良くなるのです。 少々荒っぽいですが、全体最適で考えることの意味を、お分かりいただけたでしょうか。 さて、社長の改善も今号で何と150回目です。ここまで続けられたのは、ひとえに読者の皆様のお引き立てのお蔭です。本当にありがとうございます。 心より感謝申し上げます。これからも更に皆様のお役に立てるコラムにしていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。
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柿内幸夫(かきうちゆきお)大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。
現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。
中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。
1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。著書「“KZ法”工場改善」「最強のモノづくり」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。
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