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序
バブル破れて、財務に破れ、会社も破れて、志なかばにして破る。こうした憂きめを悔いている経営者も少なくなかろう。つきつめると、会社財務を軽視した咎といえるのである。
企業の生死を司るものは財務であるといえるのであるが、かね、儲ける、ためる、などと口にするさえ賤しいものと考えている経営者さえある。企業経営者が、財務を軽視することは、会社経営そのものを軽視していることと同じである。
財務諸表の一行が経営者の考課表である。いかに、名経営者として自負していたとしても、会社が赤字つづきであったとすれば、名経営者とはいえなかろう。経営者はあくまで利益を追求すべきである。
本書では、「利を追求するは、利を追求するためにある」とさえのべている。ただし、義にかなった利であって、企業経営者としての正しさを厳守できることを条件としている。
松下幸之助氏は、自転車のランプ製造から出発して、今日の大を成している。とかく、財を成した人に対する風あたりは強いものであるが、経営の神様として尊敬する人はあっても、非難する者は一人もいない。
義を先にして利を後にし、事を先にして得るを後にしたからである。
本書では、増益二面作戦として売上高増加による増益と、支出抑制による増益をあげている。贅肉おとしによる利益増加作戦は、バブル不況下においてはもちろん、過去の逆境時にも多く行われたものである。
また、バブル不況下において当面とるべき重点的財務戦略として、バブル経営の反省と企業の体質強化策をのべ、さらに、21世紀へむけての財務戦略はいかにあるべきかについてものべている。東西対立解消後の国際経済は、わが国企業にとってきわめて厳しいことが予想される。このなかにあって生き残る道はただ一つ、財務体質の健全強化にあるといえるのである。
平成5年7月24
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