心とものをともに豊かにする才知の数々…

社長の財学

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著者 井原隆一(いはらりゅういち)
形態 A5判(15CmX21Cm)本文540ページ
発行 1993年9月25日 ISBN4-930838-74-6
内容 目次と項目   本書の冒頭より
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井原隆一「社長の財学」序



 
バブル破れて、財務に破れ、会社も破れて、志なかばにして破る。こうした憂きめを悔いている経営者も少なくなかろう。つきつめると、会社財務を軽視した咎といえるのである。

 企業の生死を司るものは財務であるといえるのであるが、かね、儲ける、ためる、などと口にするさえ賤しいものと考えている経営者さえある。企業経営者が、財務を軽視することは、会社経営そのものを軽視していることと同じである。

 財務諸表の一行が経営者の考課表である。いかに、名経営者として自負していたとしても、会社が赤字つづきであったとすれば、名経営者とはいえなかろう。経営者はあくまで利益を追求すべきである。

 本書では、「利を追求するは、利を追求するためにある」とさえのべている。ただし、義にかなった利であって、企業経営者としての正しさを厳守できることを条件としている。

 松下幸之助氏は、自転車のランプ製造から出発して、今日の大を成している。とかく、財を成した人に対する風あたりは強いものであるが、経営の神様として尊敬する人はあっても、非難する者は一人もいない。

 義を先にして利を後にし、事を先にして得るを後にしたからである。
 本書では、増益二面作戦として売上高増加による増益と、支出抑制による増益をあげている。贅肉おとしによる利益増加作戦は、バブル不況下においてはもちろん、過去の逆境時にも多く行われたものである。

 また、バブル不況下において当面とるべき重点的財務戦略として、バブル経営の反省と企業の体質強化策をのべ、さらに、21世紀へむけての財務戦略はいかにあるべきかについてものべている。東西対立解消後の国際経済は、わが国企業にとってきわめて厳しいことが予想される。このなかにあって生き残る道はただ一つ、財務体質の健全強化にあるといえるのである。

平成5年7月24

井原隆一
井原隆一「社長の財学」もくじ

第1章 財に通じる
1.清貧と富貴/2.物の粗末/3.利を追うの理/4.かね持ちになる秘訣/
5.かねは時なり/6.富の限界はどこに/7.財の道/
8.利か損か?財務は経営者の考課表/9.小がねのありがた味/
10.数字に知恵を加えよ/11.分を弁えれば/12.財に頼らず

第2章 増益二面作戦
1.二面作戦の意味/2.時間の合理化/3.競争本能も収益源/
4.資産管理と運用/5.天を師とす/6.堅実な運用対象/
7.倹を以て得、奢を以て失う/8.予算統制と信念/9.倹約も過ぎては/
10.あたりまえを覆せ/11.固定頭脳を変動頭脳に/
12.一利を興すは一害を除くに若かず/13.人材を考える/
14.理屈より自ら実行/15.乱を忘れず

第3章 おかねの扱い方

1.肥料は根に/2.賞を惜しむな/3.楽しみのために使う/4.理屈に合わぬ
かねはださぬ/5.児孫のために美田を残せ/6.財務を任す人/
7.財務責任者の任務/8.感謝と財務担当者/9.道にしたがう者を用いよ/
10.財務責任者と先見力/11.一時の孤独を恐れるな/
12.トップは瓜田に履を入れるな/13.支出に代わるものを探せ

第4章 経営とコスト
1.コストと収益/2.コストアップの自覚と対策/3.旧・商品開発と減価計算
4.経済戦争時代/5.コスト引き下げ競争/6.危機のなかの発想/
7.諸経費再考

第5章 信用は無限の経営資源
1.信を築く/2.自分との約束/3.敬は信なり/4.準備と信用/
5.銀行が評価するもの/6.銀行とのつき合い方

第6章 経営と借金
1.借金ほど割安なかねはない/2.充実借金、見栄借金/3.使うだけ借りる/
4.物的担保に頼るな/5.誠意と熱意/6.返済不可能を可能にするには/
7.転んでもタダ起きるな/8.返済を急ぐはこのとき/9.借金規制/
10.自粛借金/11.借金の時期/12.変わった借金環境

第7章 危地脱出の財務戦略
1.経営の試練/2.試練はつづく/3.死中に生を求めて/4.危機脱出の決意/
5.危機突破の心構え/6.危機は好機/7.希望を与えよ/
8.勝って兜の緒を締めよ/9.リストラと勇気

第8章 財の的
1.経営は死地なり/2.財の敵/3.九仞の功を一簣に虧く/4.トップの利の独占
5.会社に巣食う鼠/6.借金の公私混同/7.大欲は無欲に似たり/
8.小利に動かされるな/9.臣に屈して天下に勝つ

第9章 財を制する=社長の財務戦略
1.逆境は正常化への道しるべ/2.心の正常化/3.物の正常化/4人の正常化
5.規律の正常化/6.資産、負債の正常化/7.収支の正常化/
8.財務体質強化を急ぐ/9.バブルの締め/10.本業一筋、いま光る決断/
11.時はいま/12.新・財務戦略/13.人材教育と活用の時代/14.社員の健康、会社の健康/15.高齢者の協力/16.生産性向上競争/
17.一種専業時代/18.販売戦略の再検討/19.必勝の条件

著者/井原隆一氏について
 1923年、14歳で埼玉銀行に入行。20歳にして父親の莫大な借金を背負い、銀行から帰ると家業をこなし、寝る間も惜しんで借金完済。

 その間、並はずれた向学心から独学で法律、経済、経営、宗教、歴史を修めた苦学力行の人。最年少で課長抜擢、証券課長時代にはスターリン暴落を予測し、直前に保有株式証券をすべて整理、経理部長時代には日本で初めてコンピューターによるオンラインを導入するなど、その先見性を広く注目された。

 常務、専務を歴任の後、大赤字と労働争議で危地に陥った会社の助っ人となり、一挙に40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し短期間に大幅黒字無借金の超優良会社に甦らせる。

 その後も数々の企業再建に尽力。名経営者としての評判が高い。数多くの艱難辛苦をことごとく克服してきただけに、著者のとりあげる中国故事は多くの社長の共感を呼び、「帝王学」の師と慕われている。著書に「社長の帝王学」「将たるものの人間学」「分社経営のすすめ」「財務を制するものは企業を制す」「危機管理の社長学」「リーダーの行動学」他多数。


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