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本書をお読みになって、読者の中には、自創経営の解説に入る前の、第2章と第3章の「先代社長のエピソード」の部分が長いと思われた方がいるかもしれない。 この部分については、「自創経営の心」に当たるので、私としてはページを削らないでお読みいただきたかったところである。 本文中で述べたとおり、自創経営は仕組みやシステムをつくっただけではうまく動かない。 動かすためには、仕組みに「心」を入れなければいけない。そういう意味で、第2章と第3章で、自創経営の「心」をしっかりくみ取っていただければと思う。 今でも忘れられないのは、私が社員のことで先代社長のところへ相談にいくと、先代社長は決まって、「どうしてあげたらええんや?」、つまり「会社ができることで、その人にとってためになることは何か」という意味のことを、必ず私に問いただされたことである。 先代社長は仕事に関しては非常に細かく厳しかったが、その言葉のとおり、厳しさの奥底に社員に対する愛情があった。 先代社長は平成6年に急逝され、亡くなった二日後にご葬儀という、関係者への連絡も時間が限られたものだったが、当日になってみると、誰からどう連絡がいったものか、いろいろな事情で会社を辞めていった人たちまでが次々と弔問に訪れ、「お世話になった」と、ある人は目に涙をためて手を合わせていた姿が印象的だった。 きっと私が知らないところで、先代社長は彼たちの心の琴線にふれたことがあったのだろう。 その先代社長の「徳」というものが、最後のお別れに彼たちを呼び寄せたに違いない。 自創経営も親が子に対するような愛情を経営者がもっていなければ成り立たない。 そういう意味で、経営者の役割と責任がとても大きいことを自覚しなければならないと思う。 最後に、本書も先代社長という存在がなければ世に出ていなかった。あらためて先代社長に感謝するとともに、これからも役不足ではあるが、私の命が続くかぎり先代社長の「志」である自創経営を世に広めていくつもりでいる。それがわが師への報恩につながると信ずるからである。 また、本書では自創経営の考え方と全体像をご理解いただくことに重点を置いたので、自創経営で使用するすべての資料やフォームを掲載することはできなかった。 本書で掲載できなかった資料等については、近い将来、自創経営の導入実務をさらに詳しく解説した『自創経営マニュアル(仮題)』にまとめる予定なので、ご容赦いただきたい。 |
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東 川 鷹 年
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