ユダヤ5000年の叡智

富と成功の秘訣」

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著者 M・トケイヤー 加瀬英明
形態 A5判(15CmX21Cm)本文456ページ
発行 2007年11月29日 ISBN978-489101-208-3
内容 目次と項目   本書のまえがき
   
  なぜユダヤ人の成功率が突出して高いのか。ユダヤ5000年の伝統に裏打ちされた《7つの人生成功の秘訣》と、それらを脈々と子孫に伝える《ユダヤの教育の神髄》をわかりやすく解き明かす注目の書。

姉妹書:「ユダヤ商法」

   
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「富と成功の秘訣」 序
 
ユダヤ人が成功する理由

 私は、一九六七年からフランスのロスチャイルド家の基金によって、東京の日本ユダヤ教団の初代ラビとして、十年間日本に滞在した。

 その後、アメリカニューヨーク州のテンプル・イスラエル高校の校長を務めたのち、同じニューヨーク州にあるユダヤ人のための名門私立学校ノース・ショア・ヒーブルー・アカデミー(学園)の校長に就任し、第一線でユダヤ人子弟の教育にたずさわったという経験をもっている。

 そういう意味では、私はユダヤ人地域社会の指導者であるラビという立場でありながら、教育者でもあり、さらに日本文化を肌で学んだ数少ないユダヤ人の一人である。

 おもしろいことに、今でもよく日本の方から訊ねられる質問がある。

 それは、「ユダヤ人は、世界に数知れない多くの優れた業績をのこしてきたが、その成功の秘訣は何ですか」という質問である。

 それに対して、私は「それはユダヤ文化にあります。そして、その核心がユダヤの教育です」と答えるのが常である。

 ではなぜ、ユダヤの教育がユダヤ人の力の源泉となっているのか。

 それを理解していただくためには、まず、われわれユダヤ人が、長い間キリスト教徒から理不尽な迫害を受けてきたという歴史を知っていただかなくてはならない。なぜなら、ユダヤ人は、そのために一八七八年もの間、流浪の民として世界に四散し、安住の地をえることができなかったのである。

 それは、キリスト教徒から、ユダヤ人が主(主(ヮ蛛iキリスト)殺し=iダ=iダイアサイト)の民族として蔑視されたこと、そして、ユダヤ人がイエスを神として認めなかったことに大きな原因があった。それで、ユダヤ人は狡猾であるとか、性悪であるとか、悪魔と手を結んでいるとか、さんざん罵られ、その結果、ユダヤ民族そのものが、いつ地球上から消滅してもおかしくなかったのである。

 そういう中で、われわれは、ユダヤ教を中心としたユダヤ文化を、独自の教育によって親から子へ、子から孫へと確実に伝え、頑なにユダヤ文化を守ることで生き残ってきた。だから、ユダヤ人の力はつねに一つのこと、教育から発しているといっても過言ではないのだ。

 したがって、ユダヤ人にとって、もっとも大切な場所はどこかといえば、家庭とシナゴーグ(ユダヤ教会)と学校の三つである。

 そのなかでも、家庭が、神聖さにおいて地位が一番高い。なぜなら、かりにシナゴーグや学校が破壊されても、家庭があり、家庭が健全であるかぎり、伝統が絶たれることがないからである。

 そもそも、どの民族にも、その民族をつくってきた鋳型というべき祖型が、かならず存在している。その祖型は、過去の民族の歴史によって形成されるものである。とりわけ秀でた民族は、先人がつくってきた優れた祖型によって、そうなるものだ。

 だから、ユダヤ民族は、その貴重な祖型を子どもたちに教え、伝えていく場である家庭を、非常に重要な、そして神聖な場所とみなしているのである。


【ユダヤ人は他の民族よりも賢い?】

  ところで、二〇〇五年にニューヨークで発行された、人気の高い月刊誌『ニューヨーク』の十月号で「いったい、ユダヤ人は他の民族よりも賢いのだろうか?」という特集記事を組んでいる。その一部をご紹介しよう。

 この記事によると、ユダヤ人は世界人口のわずか〇・二五パーセント、アメリカの人口の三パーセントにしか当たらないのに、今日までノーベル賞の二七パーセントを授賞し、コンピューター科学賞の二五パーセント、世界チェス選手権の優勝者の半分を占めている。ストックホルムで催されるノーベル賞授賞式で授賞する百人のうち、二七人がユダヤ人である。

 また、この記事はユダヤ人の千人当たり二三人が、IQ(知能指数)で一四○を超えているのに対して、白人の場合には千人に四人しかいないと指摘されていた。ちなみに、IQの平準値は一〇〇である。

 二〇〇二年にアメリカの著名な経済誌『フォーブス』が、「世界トップの四百人の億万長者」のリストを発表したが、ユダヤ人が一五パーセントを占めていた。

 あるいは、アメリカにおける最近の調査によれば、ユダヤ人の一世帯当たりの平均年収は、白人のキリスト教徒の平均年収の二倍である。

 そして、ユダヤ人は、政界でも活躍している。

 二〇〇六年のアメリカの上下院議員を選ぶ中間選挙では、ユダヤ人の上院議員が一一人から一三人に増え、下院では三七人から四三人に増えた。ユダヤ人はアメリカの人口の三パーセントに満たないのに、上院議員の一三パーセントと、下院議員の一八パーセントを占めているのだ。

 州知事については、ニューヨークのエリ・スピツァー、ペンシルバニアのエド・レンデル、ハワイの女性知事のリンダ・リングルがいる。

 ユダヤ人は、ハワイの人口の一パーセントでしかない。リングル知事は共和党員であるが、敬虔なユダヤ教徒であって、「ユダヤ教の教えを守ることが、自分をつくってきた」と述べている。

 このように、現在でもユダヤ人は、成功率が最も高い民族だといわれている。

 それはわれわれが、五千年以上にわたって、祖先の輝かしい文化を受け継ぐ努力を行ってきたことによって、力を手にすることができたからである。

 言い換えれば、先人がつくってくれた祖型を守ってきたから、今日でもユダヤ人が力に溢れているのである。その祖型がわれわれの力の源泉である。そして、その源泉は、汲めども汲めども、力がわく泉なのである。

 私は現在、アメリカニューヨーク州に住んでいるが、今日のアメリカ人は、古いもの、先人が伝えてきたものを遅れたものとして、毎日のように捨てつつある。このようなことが続けば、アメリカはいずれ近い将来に、力を衰えさせることになるだろう。

 いずれにせよ、長い歳月によって鍛えられ、証されてきた文化は、強い力に溢れている。反対に、祖型を軽んじた民族は、衰退していずれ滅ぶことになる。だから、その祖型を軽んじたり、疎かにしてはならない。

 それほどまでに、祖型というものは尊い、かけがえのない財産である。祖型を受け継ぐことのなかに本当の歓びがある。ユダヤ人は、優れた先人の文化を伝承することによって、これからも旺盛な活力をもち続けることになろう。

 ところで、このあと述べる「ユダヤ人の成功の秘訣」は、どれもユダヤの教育によって、受け継がれてきたものである。ユダヤ人は、これらの秘訣の数々を、子どものときから学び、成長するのである。

 そういう意味では、「ユダヤの教育」を学ばないかぎり、ユダヤ人の成功の秘訣は、真の意味で理解できないだろう。

 したがって、本書は、三部構成になっている。まず第一部で「ユダヤ人の成功の秘訣」を七つ述べ、第二部で、ユダヤ人の成功の土台といえる「ユダヤの教育」について詳しく述べたい。

 そして、「ユダヤの教育」を解説するにあたって、まず第一部の【成功の秘訣7】 「子孫に伝えよ」で、ユダヤの家庭教育について述べた上で、第二部では、ユダヤ人の学校教育について詳しく解説したい。

 第二部は、私が校長を務めていた時代の日記を通して、ユダヤの子どもたちが一年にわたって学校で何を学ぶのかを、さまざまなエピソードをまじえながら解説したものである。この第二部で、ユダヤの教育の真髄にふれていただければ幸いである。

 さらに、本書第三部では、私の長年の親友であり、本書を翻訳してくれた加瀬英明氏に、「日本人がユダヤの教育に学ぶべきこと」と題して、日本の読者のためにわかりやすく解説してもらった。そちらも参考にしていただきたい。

マーヴィン・トケイヤー
「富と成功の秘訣」もくじ
 [序]  ユダヤ人の成功の鋳型 

  ユダヤ人が成功する理由/ユダヤ人は他の民族よりも賢い?


[第1部] ユダヤ5千年の〈富と成功の秘訣〉

 【成功の秘訣1】富を尊ぶ
  大いなる祝福/金は豊かさの象徴/ユダヤ教は禁欲的でない/ユダヤ人に金融業が多い理由/錬金術/ユダヤ人の名前/日本人の金銭観/金は役立つもの/不動産王ライヒマン一族

 【成功の秘訣2】与えれば与えられる
  「与える」と「貰う」は同じ/人として慈善は義務である/ハーゲン・ダッツ創業者/ハリウッド銀幕の王者/天才投資家ジョージ・ソロス/善行は神の命令

 【成功の秘訣3】汝自身を知れ
  一日一回、自分を振り返る/ユダヤ人の祈り/仕事から離れる/シャバット(安息日)の一日/計算高い民族/時間は神聖なもの/まず自分に勝て

 【成功の秘訣4】掟を守る
  神の命令/子どもに掟を教える/掟が規範意識を植えつける/食物の戒律/祖型を重んじる

 【成功の秘訣5】一生涯学べ
  学ぶことが祈ること/ユダヤ人は本の民/ユダヤ人の一日/敗北の歴史から学ぶ/失敗こそ成功の種/敗北と失敗が人を鍛える

 【成功の秘訣6】中庸であれ
  極端なことを嫌う/真の成功を獲得するには/ダビデの星の意味

 【成功の秘訣7】子孫に伝えよ
  神の命令を子孫に伝えよ/守るべきものは何か/紀元前からはじまった義務教育/ユダヤ人の使命感/父親の責任は重い/教育は胎児のときから始まる/祖父母が果たす役割/ユダヤの幼児教育の秘訣/まず祈りを教える/ユダヤのおとぎ話/子どもの教育で大事なこと/学校崩壊は家庭崩壊からはじまる/子どもの叱り方/子どもの誉め方/豊かな家の子どもほど厳しく躾ける



[第2部] ユダヤの教育法 〜ラビ・トケイヤーの校長日記

  教育の目的/ユダヤ人の教育の成功の秘訣/日本の教育を憂う

  1 始業式  「学問は蜜のように甘いものだ」と生徒にキャンディを与える

  2 優れた教師の条件  忍耐力をもち、心をこめて話すことだ

  3 ある少年の作文から  ユダヤ人の成功の秘密

  4 家庭教育  古代から教育の中心は学校でなく家庭にあった

  5 安息日  人間が時間と物から解放され、自分と向かい合う日

  6 暗 記  ユダヤ教育の重要な柱である

  7 タルムードとは  ユダヤ5千年の英知の結晶

  8 オリジンズ  先人の苦労を教訓として生きるために

  9 ユダヤ人と日本人  共に上昇志向が強く、社会的地位向上に努める

 10 ユダヤ式性教育  まず道徳的な落ちこぼれをつくらない

 11 植樹の日  イスラエルに苗木を送る

 12 学習障害  百人に一五人のこの障害を克服する方法

 13 チャリティ  機会あるごとに思いやりの精神を育てる

 14 笑いとジョーク  権威を疑い、知性を磨く鋭い砥石

 15 ピュリムの日  親戚や友人たちの愛を痛いほど感じる

 16 いじめ  善悪の区別と自制することを教える

 17 注意力欠乏症  食餌療法のすすめ、与えてはならない食品リスト

 18 テレビの功罪  テレビの見過ぎで愛憎の機微に反応できなくなる

 19 天才児  いかに発見し、いかに大事に育てるか

 20 サマーキャンプ  情操教育や自立心、知的向上にきわめて有効

 21 卒業式前夜  晩餐会を開き、教師と生徒が忘れ難い時間を共有する

 22 卒業式  ユダヤ人の苦難の歴史がにじみ出る希望の日


[第3部] 日本人がユダヤの教育に学ぶべきこと/加瀬英明

  人は教育によってつくられる/かつてはユダヤの教育と似ていた/民主主義の社会には内的規範が必要/商売に必要な道徳心/日本の徳育教育/世界でもっとも古い国定教科書/日本の家庭教育/父親が家庭の中心/ユダヤの教育から学ぶ/自由主義と個人主義の本当の意味/「聖書」と「論語」の共通点

 著者紹介


富と成功の秘訣本体概要
本書は、日本ユダヤ教団の初代ラビであり、その後
ユダヤ人子弟が通う名門私立学校の校長を務めた
ラビ・トケイヤー氏が、ユダヤ5000年の伝統に裏打
ちされた《7つの人生成功の秘訣》と、それらを脈々
と子孫に伝えていく《ユダヤの教育の神髄》をわかり
やすく解き明かす、注目の書。
     ■本文総ページ数456ページ
     ■本体サイズ A5判 150mm×210mm
マーヴィン・トケイヤー(Marvin Tokayer)について
 
 
 1936年ニューヨーク生まれ。世界に約5000人いるラビ(ユダヤ人地域社会の指導者)のなかで、もっとも日本通として知られる。

 1958年、ラビを養成するニューヨークのイェシバ大学を卒業。62年ジューイッシュ・セオロジカル・セミナリー(ユダヤ神学校)にて、ラビの資格を取得、87年、同校より博士号を授けられる。

 1967年、フランス・ロスチャイルド家の基金により、東京広尾にある日本ユダヤ教団の初代ラビとして派遣され、76年までの10年間、東京で活動する。

 1977年からニューヨーク州グレートネックのテンプル・イスラエル高校の校長を務めたのち、ユダヤ人子弟の名門私立校として有名なノース・ショア・ヒーブルー・アカデミー(幼稚園児から中学生までが学ぶ一貫教育校)の校長を歴任。

 現在、全米において高額所得者が最も集まっている町、ニューヨーク州キングス・ポイントのシナゴーグ「チェリー・レイン・ミニアン」のラビを務めるかたわら、執筆、講演など、幅広く活動している。

 とくに、ユダヤ人の視点から展開するユニークな「日本人論」には定評があり、滞日中には、早稲田大学で、古代ヘブライ文化について教鞭をとるなど、古代イスラエルと古代日本の研究家としても、活躍している。

 主な著書に、「ユダヤ5000年の教え」(実業之日本社)「聖書に隠された日本・ユダヤ封印の古代史」「日本とユダヤ/魂の隠された絆」(徳間書店)「ユダヤ商法」(日本経営合理化協会出版局) その他多数。

加瀬英明(かせ ひであき)氏について
 1936年東京生まれ、3才までロンドンで育つ。慶応大学経済学部、エール大学、コロンビア大学に学び、19才ではじめて、雑誌『日本週報』に国際情勢について寄稿、連載する。

 その後、UPI通信東京支局記者、NHK海外放送、ハドソン研究所研究員など、幅広い活動の傍ら、主に外交に関する評論を執筆。67年から70年、『ブリタニカ国際大百科事典』初代編集長を務める。

 また、1959年から、ニューヨークタイムスなど海外の新聞の一面に、氏の署名記事がしばしば掲載されたことによって、海外の有識者に広く知られるようになり、フォード元大統領をはじめ、とくにアメリカにおいて豊富な人脈、情報源をもつに至る。

 そのため1977年、福田首相の要請により、首相特別顧問として訪米、また福田、大平、鈴木内閣で園田外相の顧問として、さらに82年には中曽根首相の首相特別顧問として訪米し、対米折衝に当たる。

 マーヴィン・トケイヤー氏とは、30年来の親友であり、訳者として、氏の出版を多く手掛けている。

 現在、「外交評論家」という枠を越えて、執筆、講演、映画製作をはじめ、シカゴ大学、ペンシルベニア大学など海外の大学、シンクタンクにより、安全保障問題の講師として招かれるなど、海外の公演活動も活発に行っている。その時流におもねない本質をとらえた発言は、広く人気を博している。

 主な著書・訳書に、「ユダヤの教え 大物になる勉強法」(三笠書房)「ユダヤ製国家日本」(徳間書店)「ユダヤ5000年の教え」(実業之日本社)「ユダヤ商法」(日本経営合理化協会出版局) その他多数。


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