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まえがき
私は30年以上能力開発の仕事に携わり、これまでスポーツ、ビジネス、受験など、あらゆる分野でツキと運に恵まれた多くの成功者を輩出してきた。
たとえば、現在、国内外のリーグで大活躍しているサッカー選手や野球選手、世界タイトル保持のボクサー、賞金王に輝いた競輪選手や競艇選手、陸上競技や柔道のオリンピックメダリスト、そのほか箱根駅伝優勝チームや甲子園連覇校、一部上場の大企業をはじめ、飛躍的に業績を伸ばしている全国の中小企業の経営者および社員を指導し、その多くを成功に導いている。
また、受験生の場合はスポーツ選手や経営者と違い、体力を鍛錬する必要もなければ心理面での強化もそれほど要らないため、指導に入った子はたいてい、他の受験生のように朝から晩まで机にかじりついて勉強せずとも、たとえば最も勉強時間の短い子は一日2時間で、東大に現役で合格している。
しかし、最初からこのように成功者を続出させてきたわけではない。実は、はじめの10年間は、自分でも呆れるほど失敗を繰り返した。
自慢ではないが、能力開発の専門家で、私ほど失敗した人間はおそらくいないと思う。少なくとも、はっきりそう公言している者は他にいないだろう。
そもそも、私が能力開発の研究に着手したきっかけは、1976年のモントリオールオリンピックで、旧ソ連や東欧諸国が多くのメダルを獲得し、その選手育成の秘訣が、右脳で「成功イメージ」を思い描く方法であるという、ドイツの研究発表を聞いたことによる。
この発表を聞き、ビジネスチャンスを感じた私は、さっそく調査に乗り出したのであるが、当時の日本スポーツ界では、メンタル、すなわち脳へのアプローチの重要性などまったく重視されておらず、精神面については、根性を鍛えるという名のもとに過剰な体力的、技術的トレーニングが横行していた。
したがって、どこの研究機関にあたってもイメージと能力の関係の研究などしていないため、とうとう自らこの研究に乗り出したというわけだ。
しかし、先ほども述べたように、最初の10年間は失敗の連続だった。まったく同じノウハウでイメージさせても、集団の構成比で5%ほどの人間は確かに面白いように能力が開発されて、メキメキと実力を発揮し出すが、残りの95%の人間は、どんなに懇切丁寧に指導しても、なぜかその素質や才能を生かしきれなかった。
しかし、この最初の10年間の失敗で、私はある重要な事実に気づくことができた。
それは、失敗の原因を突き詰めるべく、あらゆる分野において成功した者の昔の心理データをすべて見返して分析してみたところ、彼らにはある共通した資質があり、その資質を持ち合わせた脳の状態でなければ、人間はいくら目標達成のイメージトレーニングを行なっても、成功しないという答えにたどりついたのだ。
この成功するほんの数%の人間と、それ以外の大半の人間の違いとは、意識上ではコントロールできない無意識領域の脳が、物事に肯定的であるか否定的であるか、ただその一点なのである。
そして、成功する人間の脳は、この無意識領域の脳内に肯定的思考のネットワークが張り巡らされているため、目標達成のイメージを送り込むと、いわば条件反射で「できる、うまくいく」と肯定的思考をしてしまうというわけだ。
逆に、無意識領域の脳が否定的なネットワークになっていると、どんなにプラスのイメージを送り込んでもうまくいかず、「ムリだ、できるわけがない」と脳が判断して、能力が発揮されないのである。
つまり人間は、潜在意識に条件付けられたとおりに行動する生き物で、成功する人の脳には「成功する」ことが当たり前のように条件付けられており、逆に失敗が潜在意識に条件付けられている人は、どんなに努力しても成功を手に入れることができない。
ゆえに、事業経営でも、スポーツでも、あるいは趣味や恋愛においても、「思い描いたとおり」に成功できるか否かは、頑張ることではなく、「脳の条件づけ」いかんといえる。
この脳のメカニズムを基に開発した私の『スーパーブレイントレーニング』とは、世間にあふれるプラス思考訓練や成功イメージトレーニングに比べ、大脳生理学と心理学を進化させた科学的な手法により、意識ではコントロールできない無意識の脳に「成功してしまう脳」「目標を達成してしまう脳」の条件付けを施す、ある意味、嫌でも成功してしまう、恐るべき能力開発法である。
そして、本書では、このノウハウをさらに発展させ、経営者が真の大成功をつかむために特別に開発した『ナンバー1経営脳力プログラム』を初めて公開することにした。
このプログラムは、本書発刊元である日本経営合理化協会の主催による、社長、後継者、経営幹部だけを対象とした完全少人数制のセミナーで、彼らと膝をつき合わせて私が直接指導している、いわば一般には非公開のノウハウである。
ところで、このプログラムの目的は、ズバリ、大成功者となるための「強運」をつかんでいただくことにある。
世間の理解では、ツキや運は偶然のものと考えられている。しかしツキも運も偶然ではない。もちろん生まれつきのものでもない。
これらは大脳生理学によって科学的に説き明かすことができ、ゆえに、潜在意識に「強運をつかむ脳」を条件付けることによって、いくらでも手に入れることが可能なのだ。
そして、繰り返しになるが、本書の最大のポイントは「ツキ」を越えた「強運」をつかんでいただくことである。というのも、成功にはツキが必要であるが、大成功にはツキを越えた運がどうしても要るからだ。
言うまでもなく、本書を手に取った経営者の皆さんは、間違いなくすでにツキをお持ちだ。
したがって、「自分にはツキがある」「私はもっともっと大きな成功をつかみたい」と思われている皆さんに必要なのは、さらに上を目指すための「強運」に他ならない。
そこで、皆さん方のために、私が能力開発の指導を通して過去30年間にお会いしてきた強運の人が、必ず兼ね備えていた「8つの資質」を体系化し、これを脳に条件付けていく実践法をすべて提示しようと思う。
そういう意味で、本書はこれまで軍師として、数々の経営者の成功のお手伝いをしてきた私の能力開発法における、集大成と言えるだろう。
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