「社長の新ビジネス開発塾」18

[CONCEPT]そのものの市場性の評価と「CONCEPT」と「PRODUCT」との整合性のチェックは十分に行なう必要がある。

出来上がった商品は、次の市場導入と育成の方法によっても成功するか失敗するかが大きく左右される。従って、商品はいってみればタネ(良質の種)であって、開発作業の途中段階での成果です。

 新しい商品ができあがるとよく目にする光景があります。それは出来上がった新商品を役員室に運び込み、会社の上層部の方々が、その新商品を囲み、担当者の説明を聞きながらああでもない、こうでもないと新商品の評価をしている光景です。

 果たして、このような“品評会”を行い、役員方々の意見を取り入れ、新商品に手を加えて本当にヒット商品が生まれるでしょうか。

 また、新商品の“品評会”には、調査会社に依頼し、路上での無差別なアンケート調査やその商品の対象者となりうる人を選別したリサーチがあります。こうした調査はそれ相応の費用もかかり、調査結果はちょっとした辞書並みの厚さの報告書としてまとめられます。

 そして、依頼した企業は、その分厚い報告書をありがたがり、結果を鵜呑みにして意気揚々と市場に導入して、果たして報告書通りの結果が生まれるでしょうか。

 この答えは、実際に商品開発の経験のある方であれば、おわかりだと思いますが、なかなか考えている通りの結果にならないのが現実です。

 その理由は、今の日本では衣食住はもちろんのこと、個人の趣味や嗜好にいたるあらゆる分野での顕在化しているニーズはほとんど埋め尽くされています。そのため、新商品(サービス)によって新たな潜在需要を掘り起こす必要があるからです。

 つまり、新商品(サービス)を手にして「あっこれはいい」と思い、思わず買ってしまう商品を提供できなくては、ヒット商品つはなりません。

 新商品(サービス)がそうしたものであるかどうかは、開発者が想定する対象者に向けて、開発する商品(サービス)を提供することで、対象者を満足させることにあります。

 そのためには、開発者はその商品(サービス)のあるべき姿に「こだわる」ことを商品のモノサシとして、「製品要素」と「表現要素」をバランス良く組み合せることで、潜在しているニーズを掘り起こすという作業が求められるのです。

 従って、最初に描いた「あるべき姿」を先ず評価し、出来上がった商品の評価は、最初に描いた「あるべき姿」との比較で確かに狙い通りのものに仕上っているかどうかを確認することが一番大切になるわけです。

 さらに出来上がった商品(サービス)は、そのままでは「タネ」でしかなく、これをその後どのように育てるかで大樹(成功)に至るまでに育てられるかかがむしろ重要になります。

 ただし、その商品(サービス)が大樹に育つかどうかは、質の良し悪しによって決まります。また、どのように市場に導入するかということも開発が成功するか、失敗するかを左右する重要な用件となります。

 具体的な市場導入、育成の方法はこの後の号で解説して行きますが、ここでは、いかに最初に描くゴール(あるべき姿=コンセプト)が重要か、また開発者のこだわりでいかにゴールに相応しい商品をつくりあげるかが成功の鍵を握ることを肝に命じて下さい。

 このことがわかっていても、冒頭での役員室での“品評会”や調査会社のリサーチの結果を取り入れて、作られた商品(サービス)が開発者の最初に考えていた商品のあるべき姿とかけ離れた商品になってしまうことは、どんな企業でも日常茶飯事に行われている光景です。

 そして、そこから生まれた商品は当初考えていた商品(サービス)ではありません。つまり、そうなった商品は、改めてコンセプトから作り直さなくてりません。社内で行われる“品評会”に重要なことは、当初考えていた新商品になっているかを見極めるものでなくてはならないのです。

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