「社長の新ビジネス開発塾」09号

開発者は自社の「強み」を生かし、必要な構成要素を集め、組み合わせ、商品(サービス)を創り上げる。

この作業では、開発者は描いた通りの商品に仕立てていくための取りまとめ役。開発者の「熱意」「行動力」「知恵」が不可能を可能にする。

 これまで「開発」のための心構え、テーマの絞り込みなどについてお話ししてきましたが、ここからは実際に「開発」の具体的な行動について説明していきたいと思っています。

 ここまでは開発者であるみなさんの頭の中で、夢を描いていればよかった机上のプランです。いわば、個人的な作業で、特にリスクを伴なう作業ではありませんでした。

 しかし、これからは「創意の輪」を駆使して夢を実現化する作業になります。言い換えれば、具体的な投資を必要とする作業であり、当然リスクを伴なう作業になります。

 しかも、現代は「モノ」が溢れかえっている時代。具体的な開発には「スピード」「質」「コスト」といった相反する要素を同時に求められ、以前にも増して一つの開発を成功させるには、厳しい状況にあります。そんな環境下でどのように開発を進めていけばよいでしょうか。その最大のポイントは「餅は餅屋に任せる」ということなのです。

 中小企業、ベンチャー企業では、ヒト、モノ、カネ、情報といった資源が限られているのが普通です。にもかかわらず、多くの企業では開発のすべてを自社内で取り組もうとしてしまいます。これは大きな間違いです。

 かりに自社の突出した「強み」があったとしても、その他のレベルが低くければ失敗に終わるケースが多いのです。というのは、企業のレベルとは一番低い要素に合って決まるからです。

 たしかに自社内で全てを行い成功すれば、それだけ大きな利益を生むことは間違ありません。しかし、その確率は、それこそ万に一つと言ってよいでしょう。

 ならば、手にするリターンが減っても、「餅は餅屋のネットワーク」発想での取り組みが必要です。

 そのために発想方法の項でもお話ししましたが、新製品(サービス)全体の中で、自社の「強み」を生かせる要素、分野はどこか、そして欠けている要素、弱い点は何かを先ず明確にする必要があるわけです。

 そして、弱いところを補うために、外部の「餅屋」(専門家・会社)に協力を求めるのです。「餅屋」選定のポイントは、できるだけ一流を選び、そこに投資することです。このことは結果的に安い投資になるのです。

 しかし、このとき自社にとって「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」という条件をつけて協力を求めることです。つまり、開発全体の中心は自社にあることを明確にし、そのうえで全体の中でそれぞれが持つ強みを充分に活かしていくことが重要です。そうすることで、質の高いモノをスピーディーに得ることができるはずです。

 そうは言っても、なかなか理想的な「餅屋」のネットワークをつくるための投資もままならないという企業も多いでしょう。しかし、ここで諦めてはいけません。どうしてもゴールに到達したいという一心で「熱意」「行動力」「知恵」を発揮できればほとんどのことは解決できます。これまでの経験と勘を働かせ、取り組んでください。それが本当のビジネスであり、開発を成功させるか、失敗させるかが決まるのです。

「餅は餅屋のネットワーク」を成功させる7つのカギ

1. 開発者は、自分の描いたゴール(あるべき姿)にこだわりを持ち続け、
   決して簡単に妥協しない

2. 開発者は、常日頃から人脈を広げ、より多くの質の高い「餅屋」との
   接点を設けておくこと

3. 開発者は、「餅屋」に自分の目指すモノを熱意をもって語り、十分に
   理解してもらえる努力を怠らないこと

4. 開発者は、協力者へのメリットも示しながら協力を求めること
   (「三方よし」の精神)

5. 開発者は、常に全体の設計図(モノサシ)と照らし合わせながら、ゴール
   を目指すのに何が欠けているか明確にし、必要に応じて「餅屋」に協力
   を求めること

6. 開発者は、自分の開発意図、夢(ゴール)を理解し、客観的に評価して
   もらえる会社の内外の専門的な人を置くこと

7. 開発者は、すべてにおいて、自分で決断、結論を出す覚悟をもって
   事にあたること

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