「社長の新ビジネス開発塾」07号

開発の成功は、開発者のゴールを目指す信念と、開発協力者の「創意の輪」が結集してはじめて可能になる。信念を守り、協力者の力を発揮してもらうためにもゴールを描き、共有することが肝要。

 第6回では、開発を行ってそれが出来上がった姿を明確に描くことが必要である、というお話をしました。なぜこのことが重要なのでしょうか。それは「開発」という作業は個人的な作業だからなのです。

 こう私が申し上げると「開発はプロジェクトチームで行っている」という反論をされるかもしれません。おっしゃるように開発プロジェクトを進める場合、チームで進めることが多いでしょう。

 しかし、開発はそれを提案した個人の発想からスタートしているはずです。その上で、成功に導くために多くの協力者が必要になる、ということを肝に銘じてください。

 なぜ、こうしたお話からはじめたかというと、開発とは言い換えれば「新しいビジネス」の始まりです。また、開発にはさまざまな課題や難題が次々と“壁”となって立ちはだかります。

 その中でも最もやっかいなものが「抵抗」という壁だからです。しかも、抵抗という壁は、開発のスタートである発想がユニークであればあるほど大きく、強固になるという特徴を持っています。

 こうした抵抗(勢力)が立ちはだかる理由は、「開発はリスクを伴う投資」であるからにほかなりません。リスクを避けたがる人たちは、どんな組織でも多く存在し、大半がそうといっても過言ではありません。

 しかし、一概にそれを悪とは言い切れません。これは人間が抱える性だからです。しかも、組織の中で行われる開発は、上司や先輩、同僚といったしがらみの中で行われます。

 とくにこれまで日本企業では、全体の和が重要であり、総意と合意を得ながら開発が進められてきました。しかし、今の厳しい状況の中では、これは失敗の元であり、開発の結果は期待はずれなものになります。

 すなわち、開発していく課程でリスクを避け、より無難な方向という選択をしてしまうことで最初にあったユニーク性を欠いた開発になってしまうのです。つまり、最初にあった鋭い突出した部分がどんどんと削られ、「丸くなった開発」になり、実績のある既存のものを真似た開発になるのです。

 せっかくのユニークな開発が、このような結果にならないようにするためにも、まず初めにゴール(あるべき姿)を描くことが大切なのです。

 そのことで最終ゴールを描き、そこに向けて開発を進めていく中で、何らかの抵抗によって開発途中で変更が加われば、結果が違ってくることを容易に想像することができます。

 開発とは、ゴールを目指し、こだわりや信念を持って貫き通すことこそが開発行為なのです。前回ご紹介した「光束制御技術」の原理開発を行なった社長の場合も、8年間の苦難の末、完成させました。

 その上で開発に携わる多くの人たちに、各々の専門分野で十分な能力を発揮してもらい、その力を束ねことが必要になります。これまでは「総意の和」によって開発が行われてきましたが、これからは「創意の輪」が大切なのです。そのためにも開発に携わる人たちに、わかりやすい最終ゴールを描くことが重要なのです。

 

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