社長のための「売れる高級品」開発塾 16号

「5,000円のビニ−ル傘が人気商品に!」

−「MANHATTANER'S」 株式会社ワールド・エース大黒 -

 梅雨も明けて本格的夏の到来で雨傘をさす機会も少なくなりましたが、今年の梅雨には傘の業界でも新しい動きがありました。

 ビニ−ル傘といえば、今や100円でも手に入れることができ、500円位を中心に使い捨てに近い商品として普及しています。

 それが何と、5,000円するビニ−ル傘が売れているという噂を耳にしたので、早速製造元へ問い合わせてみたところ、社内でも5,000円のビニ−ル傘は売れないだろうという見方が大半だったのですが、実際販売したところ当初の予測よりもはるかに売れ行きがよく、今春製造した分が早々に完売し、追加生産したそうです。

 この傘を製造しているのは、昭和22年創業の洋傘・服飾雑貨のメーカー、株式会社ワールド・エース大黒(東大阪、黒川重一社長)。

 今年新発売した5,000円のビニ−ル傘は、ニューヨークを拠点として活躍している日本人画家、久下貴史氏が描く、猫たちとの暮らしを題材に綴った「落書き」感覚のアートがプリントされた「MANHATTANER'S」(マンハッタナーズ)ブランド商品(婦人用雨傘)。

 そもそも5,000円のビニ−ル傘を企画したのは業界で昨年から3,000円代のビニ−ル傘が登場したのがきっかけで、暗くなりがちな雨の日に少しでも楽しい気分を味わってもらえる傘をと、企画したところ透明で空をのぞけるビニ−ル素材がテーマとなりました。

 そこに傘メーカーとしてのこだわりで、くっつきにくい低公害型のポリエチレンを使用し、強くて折れにくく、サビ無いグラスファイバーの骨を使い、販売の際一番先に視覚に入る柄は、購入の動機付けに直結する重要な部分で、透明の樹脂を使い手元にはネコたちの姿が描かれています。

 この傘は百貨店を中心に販売されていますが、猫のキャラクターが描かれていることもあって、幅広い層の女性に支持されています。

 数量にしてみれば圧倒的に使い捨ての廉価商品の市場が大きいのですが、同じビニ−ル傘であっても、こだわった結果コストも張り、5,000円という高い値段になった商品ですが、付加価値要素が消費者に評価され需要に繋がっているケースです。

 他の業界でも過当競争に陥っている業界が多いのですが、この傘同様独自の付加価値をつけた商品開発をすることにより、新しい需要を創造することができ、会社のPR、イメージアップ、業績向上へと繋げることが可能になります。

内海悟



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