社長のための「売れる高級品」開発塾 13号

高級野球グラブが大ヒット中

−「ミズノプロ・4Dテクノロジー」ミズノ株式会社 -

 サッカー人気が高まる中、一見影を潜めているかのように思われる野球は、国民的スポーツとしての根強い人気があり、今でもスポーツ用品市場で三本柱の一つとして堅実にそのグッズの需要があります。

 スポーツ用品最大手のミズノ株式会社(水野 正人社長)が昨年9月に新発売した硬式用野球グラブ「ミズノプロ・4Dテクノロジー」は、当初年間5,000個の販売目標でスタート。

 発売初月で2,000個強が売れ、以来わずか4ヶ月間で、7,000個(年換算20,000個以上)が売れるというヒット商品となっています。しかも一般的な硬式用グラブが30,000円代なのに比べて45,150円もする高級品です。

 この「ミズノプロ・4Dテクノロジー」の特徴は、プロ野球選手が使用しているグラブと同じく、革の選別から縫製、紐通し、型作りの最終工程に至るまで、一人のクラフトマンによって個別に手作りで作られています。


 それに加え、最先端のテクノロジーを駆使して理想的な捕球感覚と、思い通りの操作を可能にする設計が施されています。

 正に、このグラブを使えばプロ野球選手と同じようなグラブさばきが可能になるのです。その違いは、手にはめればすぐに分る程綿密な設計と製造技術から生まれています。

 実際に購入しているのは高校生が主ですが、自分のために高くても機能性に対して投資しているのです。

 もっともプロ野球選手の使う手作りのグラブはもっと高価ですが、ミズノでは独自に中国人技術者の育成などの努力とテクノロジーとの融合により、高性能でありながら手の届く価格のグラブの開発を実現したのです。

 発売当初は、特約店のみでの販売からスタートし、WEB上での商品紹介から始めましたが、一般店へと販路を広げると同時に雑誌広告を展開しています。

 この商品は「売れる高級品」の中でも、超高級品のワンクラス下で成功している例です。高級外車でいえば、メルセデスベンツのSクラスの下のEクラスのような存在です。

 「売れる高級品づくり」の一つのヒントは“超高級品のワンランク下を狙え”です。但し、超高級品にどこまでも近い満足感を提供できるもの、であることが条件です。

内海悟



出版局トップにもどる
日本経営合理化協会 出版局 TEL:03-3293-0041