社長のための「売れる高級品」開発塾 07号

「本物との出会いから生まれた本物のハム」

−「ロースハム」大金ハム株式会社(北海道・札幌)-

 食の世界での「安全・安心」というテーマは、今後もますます重視される点ですが、同時に“より美味しいもの”“本物”を味わうことを消費者の皆様が求めているのも事実です。

 価格との兼ね合い、流通での条件をクリアーするために、どうしても添加物を使うことの多いハム、ソーセージの製造に長年専念してきたメーカーが原点に帰ってつくる「ロースハム」が評判となっています。

 前身の共栄ハム設立から数えると50年近い歴史をもつ大金ハム株式会社(大金弘武社長−北海道札幌)は、歴史と共にハム・ソーセージのメーカーとして実績を誇っていますが、大金社長はもっと手応えのあるもの、消費者が本当に求めているものを作りたいという心の底の思いがだんだん大きくなっていくのを押えきれなくなっていました。

 そんな折、同じ北海道の当別町で養豚業を営んでいた浅野政一さんに出会ったのがきっかけで、「本物」を目指そうと開発に取り組み、今評判になっている「ロースハム」が誕生することになったのです。

 「本物」づくりに取り組んで一番の問題は、原材料の豚肉だったのですが、浅野牧場の浅野さんは、おいしくてしかも安全な豚肉を作ることにこだわり続け、飼料は100%自家栽培の自家配合のものを与えています。

 これを豚の飼料に用いると、血液をきれいにし抵抗力を高めるため病気にかかりにくくなり、健康に育てることができるのです。

 この徹底して安全と味の良さを追及した豚を使い、その旨みをそのまま生かすため、ハムづくりには手間をおしまず伝統的な手法(乾塩せき法)で醸成には2週間をかけつくります。特に無添加、調味料、香辛料にこだわり、塩は海塩(天日塩)、砂糖は讃岐の和三盆糖を用いて穏やかな甘味をつくり出します。

 このようにこだわりをもって手塩にかけてつくられた「ロースハム」は、市販の高級品にくらべても3割近く高い値段ですが、都内の有名百貨店でも、その質の良さが評価され採用されたり、北海道の道産の認証商品としてのレッテルもいただき、味にこだわる多くの消費者から好評を博しています。

 商品開発には、いろいろな切り口がありますが、一つの分野、商品にこだわって、それを掘り下げることにより競合品との差別化が計れ「目立つ」(消費者の購入動機付け要素)ことにより、高付加価値を生むことができます。

 また、内容の伴なった価値のある商品であれば、値付けも需要重視型の値付けが可能になり、正しく「売れる高級品」の開発成功へとつながります。

内海悟



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