社長のための「売れる高級品」開発塾 02号

3割高い家賃でも人気殺到のアパート

−東京大田区“ZEFFIRO(ゼフィーロ)”−

 所有の土地活用の手段として、アパート、賃貸マンション経営を始めるのはよいが、借金をして建てたものの入居者がすぐに決まり常に満室の状態が保てるかどうか不安が付きまとうのがアパート経営の常です。

 ご紹介するアパート(RC構造、外断熱工法)は東京大田区の洗足池にある物件で、賃貸マンション、アパートの設計から、コンサルティングを手掛けるオーナーズトラスト?が企画した建物です。


価値のあるものは「高く売った方が良く売れる。」

 このご時勢で、何と同地域の相場家賃の3割高い家賃を設定したにもかかわらず、案内開始当日に6室全て即日成約した。

 このアパートの企画、設計に際し、同社は施主(地権者)の事業性と入居対象者、両者のニーズをとことん満足させるために要素を盛り込み設計した結果、建設コストが通常の20%アップになりました。

 但し、独自の外断熱工法を採用したため、耐用年数が大幅に長くなったのと、でっぱり柱のないスクエアーな大空間を可能にし、将来の改修、レイアウトの変更が自由に出来る等、コストアップを充分に求償できる内容が伴なっている。

 一方、入居者に対しては、対象者を単身の女性に的を絞り、対象者が望む要素にとことんこだわり、細部にわたって設計に盛り込んだ。

 そして、建設費の20%アップと出来上がったプランの付加価値要素も加わえて相場からすると30%高い家賃が妥当と考え案内に踏み切った。



心まで満たしてくれるモノは「高くても買ってしまう」。

 このアパートは全6室で10坪の部屋が3室、14坪が3室で、家賃はそれぞれ14万円/月、19万円/月と相場よりも約3割高い。

 しかし、外観はもちろんのこと、入口のインターホーンから内階段の手すり、カーテンレールに至るまで、イタリアのセンスを生かし、いかにも女性が好む要素を細部にまでわたり採用している。

 もちろん、女性が安心して住める安全性、機能性、居住性にもとことんこだわっています。

 入居者にとっては、快適な空間と機能性、センスがあり、自分の生活スタイルをエンジョイ出来、心までも満たしてくれる住まいと肌で感じられる。

 対象としている女性が高くても思わず決めてしまうという心理は充分納得いくアパートです。



「自分らしさ」の実現、「癒し」のためなら“プチ贅沢”を惜しまない消費者。

 この事例も“プチ贅沢”を積極的に楽しむ新しい消費者像が浮彫りにされている一例です。

 このアパート“ゼフィーロ”の例も、超高級品(億ション)を購入する分けではなく、相場よりも3割余計に家賃を払うことにより、理想に近い居住空間が自分のものになり、心の満足まで得られるのであれば安い買物と判断して購入するという新しい消費現象“プチ贅沢”の一つです。

 ここの入居者も、おそらく限られた収入の中から家賃に多く支払う分、生活必需品は一円でも安いものを探して購入しているはずです。



「中途半端な商品」は消費者に相手にされない。

企業の開発の現場では、未だに「安くないと売れない」、「○○○の業界だから」といった言葉を良く耳にするが、昔とは消費者の立場も大きく変わって、その価値評価基準も変わっている。

“プチ贅沢”の現象もその一つで、新しいビジネス、商品を世の中に提案する立場の企業も、この今までになかった消費現象を十分に理解し、新しい消費者ニーズに応えることが開発を成功させることにつながる。

内海悟



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