うえじゅんの「自腹で試した流行りモノ」 20号

100万人が予約待ち!
口コミ起こしの格好のケーススタディ…


「ホワイトバンド

スタイリッシュな芸能人がつけている白ブレス

 近頃テレビに出ている芸能人の方が手首になんだか白いブレスレットのようなものを付けているのが気になっていた。「新手の健康グッズなのか?」と思っていたら、9月11日の衆院選でも多くの政治家が身に付けていた。

 「いったい何なんだ?」と思っていたときに、買い物に立ち寄ったファミリーマートの店頭でその謎が解けた。

 気になっていた白ブレスは「ホワイトバンド」といって、全世界で展開される「世界の貧しい国々の貧困克服を目指す活動の意思を表示する」ものだという。

 2005年7月に開かれたG8サミット、9月の国連総会を前に、自国政府に「貧困解消を世界の優先課題にしてほしい」という意思を個々人が表明するための手段として「お金を寄付するのではなく、自国の政府に働きかけて、根本的に解決するように働きかけよう」。そのシンボルとして、このホワイトバンドを身につけることが提案されたのだ。


タイトルは「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」。
キャッチがうまい!

 さっそく、ホワイトバンドのHPをのぞいてみると、「いま、世界では3秒にひとり、子供が貧困で亡くなっています。1日だと3万人。満足な食事にありつけない人は8億人、きれいな水を飲めない人は10億人以上…、21世紀に入り、世界的な貧富の差は拡大しています。このような状況を変えようと、国連で『2015年までに世界の貧困を撲滅しよう』という約束が交わされ、2005年に世界70カ国でNGOを中心に同じ目的のキャンペーンが立ち上がり、日本では『ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン』(www.hottokenai.jp)として、大きな反響を呼んでいます」とある。

 このキャンペーンの主旨に賛同した、ファミマでは、「私たちにできることは、ホワイトバンドを身につけること」として、約6500店の店頭にてホワイトバンドの販売に協力。あっという間に売り切れたようだ。他にも、全国主要書店、タワーレコード、若い女性に人気のインテリアショップ「フランフラン」など、さまざまなインターネットショップでも売り切れ、入荷待ちという状況らしい。

 さらに、「はてなダイアリー」で「ホワイトバンド」を調べてみると(はてなダイアリー http://d.hatena.ne.jp/)によると、

 「このホワイトバンド、一見、チャリティーのようだが、ホワイトバンドの収益はNGOの活動資金となる。・・・・・・・さらに、日本においては、また、日本においては本運動の仕掛け人であるPR企業「サニーサイドアップ」が商業的にホワイトバンドについての全面的展開を行なっており広告代理活動の他にも、日本のホワイトバンド運動における製造・流通にまで大きく関わっているので、ホワイトバンドが販売で得た利益を、どのような割合でビジネスコストと寄付金に割り当てるかはサニーサイドアップ側が主導権を握る為必然的にその割合への信頼性は不透明なものとなり、様々な批判が寄せられている・・・・・・・」と書かれてある。

 なるほど!! えらくスタイリッシュなファミマのポスターに中田英寿さんや水泳の北島康介さんが登場している意味も解けた。お二人の他、五体不満足の乙武洋匡さんのマネジメントを担当しているのが、この敏腕PR企業「サニーサイドアップ」なのだ。



口コミは口だけでは起こせない

 このコラムを読んでくださっている方は、経営者の方が大半でいらっしゃるとおうかがいしているので、この「ホワイトバンド」のHPから、「口コミを起こすためのPRの方法」をぜひとも、学んでいただければ幸いだ。

 あるテレビ番組で「いいものだったら、口コミでいずれ絶対に流行る」と断言していた女性社長がいらしたが、私はそれはウソだと断言する。

 私が今までに、生活者数千名の方にインタビュー調査を行ってきた経験では、「口コミは口だけでは起こせない」。口コミとは口とメディアがリンクしないと動かない。(かといえ、リンクしたからといって、必ず口コミで大ヒットする保障もないが)

 その意味で、この「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」、実によくできているのだ。

 まず、このホワイトバンドがよくできている。白いシリコン製で300円。手軽な価格でシンプルなデザイン。メッセージの代わりにアスタリスク(*)が3つ型押しされている。

 この3つのアスタリスクは、おそらく「世界では3秒にひとり、子供が貧困で亡くなっている」というメッセージを込めているのだろう。このブレスして、「3秒にひとりね・・・・・・」と友達に伝える様子が浮かぶようだもの。



広告もWEBもすごい!

 ファミマのポスターには、中田英寿さんや水泳の北島康介さんの他、、ミスターチルドレンの桜井和寿さん、歌舞伎役者・中村勘三郎さん、超人気モデルSHIHOさん、村上龍さん、藤原紀香さん、一青窈など、すんごいメンバー全員がホワイトブレスを手首につけている。みなさん、このキャンペーンの主旨に賛同して、ノーギャラで参加してくださったそうだ。そう。「いいこと」には、多くの方が賛同していただきやすいのだ。

 ちなみにここのHP,情報量も半端ない。「ホワイトバンドとはいったい何か」から、「世界の貧困の状況」「FAQ」まで、ホワイトバンドに関連する情報を詳細に掲載している。さすが、ホワイトバンドの売り上げの三分の一ほどのコストをかけるだけのことはある。

 実は、このホワイトバンドのHP、ブログで作成されている。そのため、「トラックバック」を貼ってもらうことで、口コミもしてもらいやすい。



「お客さんにやってほしいこと」を、きちんと提示しているか…

 「人助けになるいいことを何かしたい」という気持ちは誰もが持っている。けれども、「何をどうしていいか」わからない人は多い。

 だがここのサイトを見ると、「あなたにやってほしいこと」として、「ホワイトバンドをつけよう」「貧困映像を見る」「イベントに参加する」ときちんと提示されていて、アクションを起こしやすくしているのが分かる。こうすれば、起こしたアクションを人に話したり、HPやブログで発信もしてくれるはずだ。

 他にも、「もっとできること」として、「トラックバックを貼って」「リンクフリー。大歓迎」「ダウンロード素材を提供」「携帯サイト」「小泉首相に貧困問題への取り組みの明言を求めるメールアクション(自分だけでなく、他の人の書き込みも読める)」「ブログやSNSでも広めてください」「ブログスキン」も用意。これらすべては、口コミを大きくするのにとても役立つものだ。

 他にもダウンロードできる「フライヤー(スタイリッシュなちらし)」や、「ステッカー」などというのもある。

 そして、「メディアにもはたらきかけてください」とも書かれている。「新聞やテレビ、雑誌、ラジオ、ウェブ他がいい報道したら応援しましょう。そうでなかったらリクエストしましょう」とまである。すばらしい!!

 してもらいたいことを、これだけキッチリ表現していることを、ぜひ見習いたいところだ。口コミを起こすために、お客さんにしてもらいたいことをハッキリと発信している企業はどれだけあるだろうか…。ヘタなPRセミナーに出るより、きっと勉強になるような気もする。セミナーやってらっしゃる会社のところのコラムにこんなこと書いていいのやら?!(笑)

 まあー、何はともあれぜひ、『ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン』(www.hottokenai.jp)のサイトをのぞいてみてください。

9月6日から10日にかけはて、全国の朝日新聞と読売新聞に「国連ワールドサミット ほっとけない広告」を掲載。

http://hottokenai.jp/blog/archives/001_campaign_news/000594.html

ファッション誌「GQ」2005年10月号では、「ファッション?チャリティ?予約待ち100万本。白いバンドの正体」という大特集を掲載。これもきっとPRのたまものなはず。

http://www.gqjapan.jp/index.php?newspaper=W409


 




■今回の自腹■

ホワイトバンド 予約中につき、まだ 0円

 合計0円チーン!。







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