うえじゅんの「自腹で試した流行りモノ」 16号

笑いあふれる貧乏暮らし。
人生が楽しくラクになる本。


「佐賀のがばいばあちゃん

B&Bの島田洋七が再びブームに

 「もみじまんじゅう!!」のギャグで一世を風靡した、B&Bの島田洋七(太ったほう)が、今再び注目を浴びている。

 とはいえ、B&Bの漫才がウケているのではなく、日本中を揺さぶっているのは、洋七氏のおばあちゃんだ。

 

 このおばあちゃんと二人きりで過ごした少年時代をつづった『佐賀のがばいばあちゃん』は、2001年に洋七氏が貯金を切り崩し、初版2万部で自費出版。『徹子の部屋』でおばあちゃんのことを話したことがきっかけで、じわじわと火がつき、現在41万部を突破する話題作に。



この秋には、なんと映画化される。

 しかも、緒方拳や吉行和子、三宅裕司など一流の役者さんや、以前の漫才ブームで共に活躍したビートたけしや島田紳助から、「ぜひ、出してくれ」と出演の要請があったというのだからすごい。

 映画の撮影が終了すると、今度は集英社が『ビジネスジャンプ』創刊20周年記念として、7月15日号から連載が始まる。絵本での発売も決まっている。

 とまあ、以前ご紹介した『NANA』にも劣らないほど、さまざまな媒体で展開される人気なのだ。



佐賀のがばいばあちゃん

 洋七氏は1950年広島生まれ。原爆症で父を亡くし、家庭の事情で、7歳のとき佐賀にいるおばあちゃんに預けられた。中学卒業まで二人で過ごしたのだが、その極貧ぶりに驚かされる。

 家はへんぴな田舎の川沿いのボロボロの一軒家。おばあちゃんは、42歳で夫を亡くし7人の子供を近くの小学校の掃除婦をして育てあげ、よくやく手が離れた60歳過ぎに洋七氏を預かったのだ。

 食料調達の手段は、家の前に流れている川。そこに棒を渡し、流れてくる野菜くずをせき止めて拾って食べた。

 おばあちゃんは外を歩くときは、必ず磁石を引きずっていた。家に戻る頃には、鉄くずが集まり、それを売るとわずかながらも家計の足しになったからだ。

 もう、想像しただけでへこみそう。でも、佐賀の方言で「すごい」という意味を持つ、がばいばあちゃんは違う。



まるでコントのようなおばあちゃんとの極貧生活

 洋七氏が小学校から帰って「おばあちゃん腹減った!!」と叫ぶと「気のせいや!」といわれる。

 また、あるとき「おばあちゃんここ2、3日、ご飯ばっかりでおかずがないね」というと、笑いながら「明日はご飯もないぞ」と答える。冗談かと思うと本気。二人は顔を見合わせると、また大笑い。

 他にもおばあちゃんは多くの名言で説いた。

 「今のうちに貧乏しておけ!金持ちになったら、旅行に行ったり、寿司食ったり、着物仕立てたり、忙しか」。

 「貧乏には二通りある。暗い貧乏と明るい貧乏。

 うちは明るい貧乏だからよか。それも最近貧乏になったのと違うから、心配せんでもよか。自信を持ちなさい。うちは、先祖代々貧乏だから」。

 けれども、洋七氏は極貧のおかけで少年時代を豊かに過ごせたという。貧乏には笑われ、助けられこそすれ、嫉妬や恨みを買うことはない。逆に近所の人たちの優しさをたくさん感じながら暮らしたと。

 たとえば、お豆腐屋さんは、洋七氏にだけは運んでいる途中で崩れてしまった豆腐を特別に半額で売ってくれた。けれども、一つも壊れていない日もある。すると、おじさんは気づかれないようにこっそりと手でぐちゃっと豆腐を崩してくれたのだとか。



ビートたけしや島田紳助から「それネタやろ」といわしめる、がばいばあちゃんのことがいっぱいつまった一冊。笑って泣けます。通勤電車の中では決して読めません。540円。




勉強ができなくても怒ることはなかったおばあちゃん

 おばあちゃんは勉強ができなくても怒ることはなかった。

 「ばあちゃん、英語なんかさっぱり分からん」というと

 「じゃあ、答案用紙に『わたしは日本人です』って書いとけ」。


 「漢字も苦手や」。

 「『僕はひらがなとカタカナで生きていきます』って書いとけ」。


 「歴史も嫌いでなぁ」。

 「歴史もできんと?『過去にはこだわりません』って書いとけ」。

こんな調子だから、勉強はできなかった。

 1と2ばかりの通知表を持ち帰り「体育は5やけど、あとは1と2ばっかりでごめんね」と謝ると「大丈夫! 足したら5になる。心配するな。人生は総合力や!」と励ました。



「人生は総合力」「金、金と言うんじゃなか。一億円あったって、金魚一匹さくれんばい」など、がばいばあちゃんの名セリフ炸裂。一冊目同様笑って泣けます。




実力が60%ダウンするネガティブな言葉

 こんな親や上司に恵まれれば、さぞかし幸せだ。

 「うちの社員はバカばっか。上田さん、厳しくしないと、社員はつけあがるものです」と、平然とおっしゃる経営者は少なくない。

 さらには、仕事のミスを注意するのではなく、人格をも否定するような言葉を吐く方も少なくない。言ったほうは忘れても、言われたほうは一生忘れることはない。

 心理学者の伊東明先生に言われた言葉が、今もずっと残っている。それは「上司に対してネガティブな感情を抱いてしまうと、部下は全く気づいていないが、実力の60%引きの能力しか発揮しない」と。

 『佐賀のがばいばあちゃん』の帯には、ビートたけしのこんな言葉が書かれている。「こんちくしょう、洋七はばあちゃんという、すごい財産をもっていやがった」。

 「うちは、明るい貧乏」と、いつも笑っていたおばあちゃんは、負け惜しみではなく、本当に幸せそうだったそうだ。確かに、笑顔のお写真がそれが本当だったことを語っている。

 去年には、すでに亡くなった「おばあちゃん生誕百年」を記念して、大宴会が催されたそうだ。

 どんなときも楽しく生きる知恵がつまった一冊。

 経営者の方にも、めちゃめちゃおすすめします!!




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■今回の自腹■

佐賀のがばいばあちゃん 540円

がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!  540円

 合計1,080円チーン!。







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