うえじゅんの「自腹で試した流行りモノ」 12号

セクシーでキュート!
オンナ心をギュっとつかむ
通販下着


「ピーチ・ジョン

 若い女性なら誰でも、ひとつは持っている?!

 男性の方で知る人は少ない。しかし、女性10代から20代の女性ならひとつは持っているといわれるのがピーチ・ジョンの下着だ。

 ピーチ・ジョンは創業10年で年商150億円近くをたたきだす通販下着メーカーだ。

 中学生から上は40から50代まで、実年齢ではなく「気持ちがオンナ」な女性に、1年に4回発行している通販カタログ「PJ」を通じて、女性用の下着を中心に洋服、シューズや、化粧品、雑貨までもを販売している会社なのだ。

 カタログは定価で250円。全国の書店、コンビにでも発売。発行部数はなんと180万部を超える!! さらには、全国15ヶ所で実店舗「ピーチ・ジョン・ザ・ストア」をも展開している。

ピンクに彩られた店舗は、カップルで訪れる客も多い。浜崎あゆみもピーチ・ジョンの大ファン。CDジャケットでもピーチ・ジョンの下着を身につけて出ているほどだ。




カタログ「PJ]250円。毎号、話題で旬なタレントやモデルが下着姿で表紙を飾る。

今春の号の表紙は岩堀せり。GLAYのリーダーTAKUROの奥様だ。

絶頂期の梅宮アンナ、吉川ひなの、長谷川理恵らも表紙を飾った一人。キャッチコピーの勉強にもなります!



 さて、このピーチ・ジョンの下着は、とにかくカラフルでセクシーでキュート!! たとえば、ヒョウ柄のブラとショーツはショッキングピンクで縁取られている。

 ショッキングピンク地に大きな水玉のブラの肩ヒモ部分には大きなフリル。名前は「ネグリジェブラ」だ! このフリルどうやったって、服からはみだすだろうという大きさだ。ショーツの脇はリボン結び。股ぐりにもこれでもかというほどの大きなリボンがついている。

 バレリーナの衣装のような淡いピンクのチュール地のブラにはショッキングピンクでできた立体的なバラが2段で並んでついている。もちろんショーツにも2段のバラだ。

事務所から一番近い、新宿ルミネ店で一番売れていると店員さんが教えてくれたブラ2,700円とソング(Tバック) 1,000円。

胸を大きくみせるぶ厚いパット入りで10色展開。ショーツはパンティー型とローライズタイプとソング(Tバック)の3型でなんと22色!!展開だから、手持ちのブラとの色合わせも可能。

ピンク地に白のレース、リボン、バラのモチーフでショートケーキのようなブラ2,700円とショーツ1,100円。

ショーツの後ろには大きなピンクのリボン付き



 「下着はできるだけ洋服から透けないように。シルエットもなるべく響かないように」と頭にたたき込んできた古臭い?固定観念なんて、ガンガンとぶちこわしてくれる。ピーチ・ジョンの下着は見ているだけで女の子心を満たしてくれるのだ。

 ピンク、フリル、お花、ヒョウ柄と女の子が好きなものがいっぱいでキュート!!  なのに、同様にカラフルでおしゃれなヨーロッパ製の輸入ものの5分の1程度、日本の百貨店で売られている大手下着メーカーのほぼ半額以下の価格なのだから売れないわけがない。

 今、大手下着メーカーがこぞって、百貨店で販売している自社ブランドの半額から3分の一程度の価格帯の10代から20代の若い女性向けのカラフルなかわいい下着の路面店を次々と出店しつづけているのはピーチ・ジョン対策だ。



 浜崎あゆみも憧れる野口美香社長とは…

 さて、この破竹の勢いのピーチ・ジョンの社長はというと、浜崎あゆみも憧れる30代4児の母の、野口美香社長。

 生まれてから高校を卒業するまで仙台で過ごす。83年、当時の花形職業はスタイリストやコピーライター。野口社長も憧れのクリエイターをめざし美大を受験するも失敗。浪人生活を送るために上京した。美大受験のための予備校に通うが3ヶ月ほどで退学。今でいうフリーターだ。

 ところが、21歳のときに、元夫でもあり、現在ピーチ・ジョンの会長を務める男性と知り合い仕事を手伝ったことで人生が大きく変わる。

 会長は当時、大手通販会社を辞めて、卸通販会社を立ち上げ独立したばかり。当時は、男性週刊誌に載っているような、あやしげなエロいピンク商品やシークレットシューズなどを卸売していた。

 野口社長22歳の頃、急成長していたのがセシールだ。そこで、会長から「お前、女だから、女ものの下着やってみろ」と、いわれたことがきっかけで下着に参入する。

 大ブレイクのきっかけは、92年、下着の買い付けで訪れた米・ロサンゼルスで出会ったアメリカ製のブラジャー「ボムバストブラ」だ。

 これはカップの下の方にだけ、驚くほど分厚いパットが入っていた。日本のブラでは見たことがないほどの厚み。試着すると貧乳と思っていた自分の胸を活かしながら、大きく、しかもかっこよくセクシーに見えた。

 「きっと私と同じようにうれしい人がいるに違いない!!」。売れると確信した。

 「ボムバストブラ」の7,800円という価格は、百貨店で販売している日本の大手メーカーのものよりも2,000円ほど高い。

 「モノマガジン」の女性版で、「ビジオ・モノ」という雑誌に見開きでタイアップ広告を載せることを決めた。野口社長は「どうしたら、通販でこのブラのすごさを伝えられるか」を考えた。

 考えたあげく、みずからの顔写真とコメントと、ブラの分解図を掲載。すると、あっという間に、なんと1万通もの資料請求が寄せられたのだ。

 「成功するのなんて簡単。だって、みんなが欲しい、自分も欲しくなるような商品を売れば儲かる。すごくシンプル」と野口社長はいう。

 驚異的な売り上げアップの秘訣も、「私のセンスがよかったわけでなく、私にはきっとみんなが欲しいのはコレ!とわかる」のだと。



 開発、企画に男子社員はいらない

 「ファッションはコスプレだ」という野口社長。アメリカでの商談のときにはセレブを装い、あゆと遊ぶときはミュージシャン風。お子さんの受験のときにはお受験スタイルの奥様風と、その時々でコスプレする野口社長。

 野口社長は他にも、「仕事が好きとか、やりがいを求めるという理由で働くのは間違っている。私は会社を経営している以上、儲けなければ意味がない」とも。

 ピーチ・ジョンの従業員300人のうち90%弱は女性だ。しかも平均年齢は20代半ば。「企画や開発に男性はいらない」という野口社長。

 そもそも女性用の下着の良し悪しなんて男性にはわかるはずがない。だから、ある企画を通すときには、男性社員を説得するためにマーケティング資料をかき集めて、売れる根拠を揃えないといけないなんて時間のムダ。

 それが女性同士だと、「わー。コレかわいい。いいよねー。欲しい」ですむ。だから決定が早い。下着も流行モノだから、そんな対応の速さが重要というのがその理由だ。

 ゴーサインかどうかは、ターゲットである女性が企画して、野口社長が「あなた、これ本当に欲しいと思ってる?お金出しても買う?」と聞くという。実にシンプルだ。



 コンセプトは、“元気、セクシー、ハッピー”

 ほとんどが女性の職場。しかし、トラブルや足の引っ張り合いは不思議なほどないという。

 その秘訣は、野口社長の社員との接し方にありそうだ。野口社長が「仕事なんかは実は簡単で、一番大変なのは実は人間関係だと思う」という。

 野口社長は、マスコミではカリスマ社長といわれているが、ご自身では「カリスマ社長じゃないし、人の上に君臨したいとも思わないし、社員の前でスピーチすることもない。お互いが思いやりをもって成熟した大人同士として仕事をしてほしい」という。

 「だから、社員と食事に行くことはない。だって、300人全員と食事にいくことはできませんから。何人かとだけ食べに行ったら、その子のことがかわいく思っちゃうから」というのだ。

 日本の下着メーカーの社長はほとんどが男性だ。そのせいだろうか。日本製の下着は、日本の工業製品のように「高機能」うたったものか、隠微、陰湿なエロを表現するセクシー下着しかなかった。

 実際、ピーチ・ジョンを意識した下着であっても、大手メーカーのものには、色使いやデザイン、ネーミングに“オヤジ目線”が見え隠れする。

 ピーチ・ジョンは、あくまでもターゲットである女性が自分で着たいと思う下着。今、流行の「見せブラ」や「見せパン」は極めてオヤジ的で嫌いだとも野口社長は言う。

 そんな中、企業コンセプトのように女性が「元気、セクシー、ハッピー」になれる下着を日本で初めて世に提供したのが、ピーチ・ジョンだ。

 ファッションはそうそう変えられないが、下着ならば大胆な色やデザインも楽しめる。カラフルでかわいい下着を身につけると気分がウキウキはずむ。

 一般女性にもちょっとしたコスプレ気分が味わえるピーチ・ジョンの下着。今後ますます伸びていくに違いないと確信した。





■今回の自腹■

 ブラ2,700円×3点
 ショーツ円1,000円×1点
 ショーツ円1,100円×1点
 ショーツ円1,900円×1点
 カタログ250円

 合計12,350円チーン!。







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