女心をわしづかみにするウォーキングドクター
ウエイティングが全国で1000人。そのため、キャンセル待ちのWEBサイトもクローズ。それでも事務局には「なんとか入れないですか?」という問い合わせが日に500件。今、最も入会できない習い事。それがデューク更家のウォーキング教室だ。
ウォーキングドクター・デューク更家。女性は老いも若きも彼の名前を聞くと「私もすごく習いたいんです」といい、男性は「誰それ?」と答える。
水泳帽のような黒い帽子にサングラス。全身黒いタイツ姿で独特な動きのウォーキングを行う男性がデューク更家氏(50)だ。身長177センチ。体重69.8キロ。体脂肪率15%。
自身がモデルをやっていたこと。後にファッションショーの演出を手がけたり、モデルにウォーキングを指導したことがきっかけでウォーキングの世界に。外国人風の名前と風貌だが和歌山生まれの生粋の日本人。先祖が後醍醐天皇に仕えた一族だったことから、学生時代に出会ったフランス人が「デューク」と命名したのだとか。
このデューク氏の「やせるウォーキング」を提唱する著書は、狭い家の中でも手軽にできる「1mウォーキングダイエット」(講談社)が50万部突破。出す本はいずれも10万部以上を突破。1万部売れればベストセラーといわれる出版業界で化け物といわれているのだ。
その活躍は出版業界だけにとどまらない。関西エリアでは「SMAP×SMAP」の放映後の5分間のウォーキング番組が、月9の視聴率をはるかに超える23%近い視聴率をマーク。いまや、テレビでもひっぱりだこの人なのである。
これほどまでに人気が高まった究極の理由は「短期間で結果を出すダイエットウォーク」にある。さまざまなテレビ番組で、30分から1時間ほどのレッスンで体重を1キロ、体脂肪2パーセントダウン、ウエスト4センチダウンなんてことをやってのけるものだから、女性たちがとびついたのだ。
このデューク氏の「体験セミナー」があるというので参加してみた。
体を使った技のすごさだけならば、ウォーキングだけでなく、武道の達人やオリンピック選手をはじめとする超一流のアスリート選手だっている。
しかし、デューク氏ほどに集客し、稼げる人はいない。その違いはセルフプロデュース力にあるのではないだろうか。
とにかく、デューク氏は世界観を作りあげるのが実にうまい。今までのウォーキング講師は、元モデルという看板をしょった「人生のピークを下った感」を感じさせる人が少なくない。「昔はきれいだったんだろうな」と思わせるルックスと、人生のピークの頃をひきずる流行遅れのメイクとファッション。
それに引き換え、デューク氏はレッスン時はプラダスポーツのストレッチパンツにスニーカー。指や胸元にはいくつものごついシルバーのアクセサリー。プライベートでは黒の革ジャンに穴の開いたジーンズにブーツとどこまでも今風だ。だから、街を歩くと男子高校生までもが「かっこいい !!」と握手を求めにくる。
自己演出はファッションだけにとどまらない。住まいはモナコ。F1のモナコグランプリで通り抜ける超高級マンション。それが彼が家族と住む家だ。そして、東京での住まいは六本木ヒルズ。
ちなみに以前の住まいは目黒だったが、「モナコに住んでて、東京は目黒いうのはあかんやろ」というわけで、六本木ヒルズに引っ越したのだとか。うーん。すごい!
レッスンのときに生徒が自分自身に対して唱える呪文は「私は女優」
人生下り坂で貧乏くさい人に教えられるよりも、モナコに住み、モナコ王室の貴族をはじめとする超セレブに1時間50万円のギャラで教えているデューク氏に習うほうが幸せな気分を味わえる。背筋だって3センチくらい伸びそうだ。
デューク氏が「好きな飲みものはシャンパン」だそうで、これだと「すかしてる」「キザったらしい」と引きかねない。だからだろうか。デューク氏は「ギャップ」というスパイスを振りかける。
たとえば、デューク氏は黒づくめで怖そうな風貌だが、一声発するとその実はめちゃくちゃ気さくな関西人だ。だから、レッスンは笑顔と笑いで溢れる。生徒に対してだけではない。渋谷の街中であっても通りがかりの人からの撮影や握手ぜめにも気さくに応じる。その人たちは家に帰ってきっとこういうのだ。「デューク更家ってめちゃめちゃええ人やったで」と。
一見自己主張がとても強そうな風貌にも関わらず、「現場でもめない」というのが彼の信条だ。一たびテレビ局のスタジオに入ったら、ディレクターのいうことをすべて飲む。だから、マスコミやメーカー、イベント主催者からありがたがられる。
その上、顧客である女心をわしづかみにするツボを押さえているから鬼に金棒だ。
一クラス80名近い参加者に対して「いちいちみんなの名前は覚えてられへん」とそっけなくいうものの、参加者すべてにレッスンの合間、合間に声をかける。そのときに「どや、腰ようなったか?」というように、それぞれの女性が前に話したことをちゃんと覚えていて、それを受けて話かけるのだ。
だからだろうか。「女性はピンクの下着が運気があがるで」と話すと、翌週に「先生。ピンクはいてきました」と見せびらかす女性や、別れ際にハグしにくる女性が後を絶たない。
「最高で8人の女性と同時につきあっていた」と公言するデューク氏。けれども、奥様と出会ったことで、すべての女性との縁を断ち結婚。「俺にとっては家族が一番大切や」といってはばからない。このあたりも女性にはポイントが高い。
なにせ、意表をつくファッションに独特のコミカルな動きだ。
「テレビでのビフォーアフターはやらせでは?」と、聞きまわってみると、参加者たちからは「1日で2キロ体重が落ちました」とか「次の日はジーンズがゆるくなりました」という声が次々にあがる。「肩こりが楽になった」にとどまらず「更年期障害が治った」という人までいた。うーん。おそるべし。
デューク式ウォーキングやってみるとわかるのだが、運動生理学を研究している大学教授なども舌をまくほど、実によく考えられている。
ぜひ、皆様にやってみていただきたいポーズがある。
一瞬ジャンプして足を前後に80センチほど開いて降りる。ケンパの要領だ。次に前足はつま先を、後ろ足はかかとを同時にあげる。腕は「気をつけ」のように体の両脇にストンと落とす。これで1分以上デューク氏は微動だにしないのだ。よほどの深層部の筋肉がしっかりしていて、なおかつバランスもよくないと数秒もじっとしていられないはずだ。
デューク氏は1日に6食から8食好きなものを食べ、お酒を飲み、移動はどんなに近くてもタクシー。睡眠時間は3時間。レッスンでのウォーキング以外、特別な運動はいっさいしていないというのに強くしなやかで美しい筋肉に身を包む。そして、ため息がでるほど美しく歩くのだ。
50歳でこの体になれるなら・・・・・・。うーん。なんとか、デューク式ウォーキングの体験レッスンでなく、正式なレッスンをうけたいものだ…
■今回の自腹■
体験レッスン 5250円
「1mウォーキングダイエット」 1260円
合計 6510円チーン!
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