これは、自分の過去の延長線として存在する未来を、どれくらい肯定的に自分の人生に含めるのか、ということだ。
非常に分かりにくいことだが、この質問の意図は、あなたの天命を考えるために非常に大切なことなので、具体例を使って掘り下げてみたい。
もし私たちが自分の人生の期間だけで事業を考えているならば、生きている間は、いまのような大量のエネルギー消費が続いても、地球が人間の住めないところまで汚染されることはないだろう。 つまり、私たちは、なんとか安全だということだ。
しかし、私たちの子供、孫、その先まで含めて考えて見ると、子孫が安全に、 この地球に住め、しかも事業を継続できるかは疑問だ。
私たちが何代も先の子供達の未来をも、私たちの人生として考えた時、ゴミやエネルギー、温暖化の問題など、さまざまな行動を今から起こす必要が出てくる。
熱心に環境問題に取り組む経営者たちは、「いま」の自分の人生に子孫のことまで含んでいるのだ。つまり、未来をどこまで含めるのかという考えひとつで、「いま」の私たちの生き方や行動は変化する。
しかし、もし、その未来を含む行動が、あなたの過去を統合したところから来る未来でないならば、パワーは、実に弱いものになる。
つまり、あなたが最も時間と情熱を傾けてきた自分の事業の中で、環境問題に取り組むことが必要なのだ。それ以外のボランテイア的な環境活動では、大きな違いは造れない。
また、未来を創る新規事業も、あなたの過去の統合からくる不動の核を引き継ぐことで、本物のエネルギーを得ることができる。
この図2を見てほしい。
私たちの人生や仕事を振り返ると、多くの成功や失敗、感動したこと、楽しかったこと、失敗、苦いこと、辛かったこと、思い出したくないこと、多くの相矛盾するように見える経験が存在する。
もしあなたが、過去の人生を肯定し一本の線で繋ぐとき、過去の全ての経験は、「いま」のあなたのエネルギーとなって顕れる。
さらに、その一本の延長線上にあなたの未来は存在する。あなたは、過去にやってきたことならできるし、未来もやり続けることができることは確かだ。
「私の人生は、物づくりを通して人を楽しませることで一貫している。それは、過去ずっとやってきたことだし、これからもそれをやり続けることは間違いない」
このような悟りにも似た確信を得ることができたらどうだろうか?
さらに、あなたがどのくらい過去の延長線上として未来を、自分の人生に含めるかで、あなたの動かない志が形成され、いまの行動(経営)の方向性にパワーと自信を与えることになる。
言い換えれば、 あなたの人生を貫く天命とも言うべきDNAが、未来の事業の中に存在するかどうかが、重要なのだ。
もし100年後の未来を自分の人生に含めるなら、あなたの事業を百年続かせるために、あなたの過去の統合の延長としての未来を描けているだろうか?
あなたが過去を統合し、幾代もの未来までを、自分自身の未来として統合した立場から、「いま」を生きるとき、あなたの存在は、これまでとは別の次元になるだろう。
そしてあなたに、とてつもないエネルギーを与えることになるだろう。
「私の人生は、物づくりを通して人を楽しませることであり、事業を通して100年後にもそれを存在させる。そのために、物づくりの楽しさを教える社内教育制度を造り、それを多くの人ができる専門学校に発展させる。また、すばらしい物づくりをした人達を表彰する制度を造ろう」。
このような熱い想いが湧き上がってきたらどうだろうか?
私は、観念上の話をしているのではない。これは、現実にある話だ。実際に、あなたの中に存在する、自分でも想像できない、とてつもない力を表に顕すことになるのだ。
あなたが社員や取引先、お客さま…などの人前に立った時、全身全霊、あなたの姿に、統合された人生、すなわち天命が顕れているだろうか。
もし、そうでなければ、あなたがたとえ、どんなに素晴らしいことを言ったとしても、それがあなたの人生の中で統合されたものでなければ、「言葉」にパワーはなく、ただのすばらしい話で終わってしまうだろう。
経営者であれば、自分の天命に志した言霊で、経営を語り、人生を語り、天命からくる経営を実行し、自分自身の天命がDNAとして生き続ける事業として、 後代まで残したいのではないか。
そのための、ファーストステップは、あなたが、人生の統合を行い、魂から来る本来やるべきことを発見し、それに志し事業をするならば、次第に、あなたにしかできない独自性を帯びた事業となり、その本質はあなたの天命的DNAとして、未来永劫、事業が続く限り顕れ続けるに違いない。