社長ための“会社の真の姿”発見 26

エイベックス・グループ・ホールディングス (株)

〜急成長後の苦戦〜

 今回は、ダンス系音楽で大手レコード会社へと急成長した、エイベックス・グループ・ホールディングス (株)の診断を見てみよう。

 エイベックス・グループ・ホールディングス (株)は、当初は松浦勝人(MAX松浦)氏らによって立ち上げられた輸入レコードの卸会社でした。

 1989年より依田巽(よだ たつみ)氏を経営者として迎え入れ、自らは小室哲哉氏とともにダンスと歌を融合させた音楽を1990年に急成長させました。1990年代後半から2000年代前半にかけては、マネジメント事務所・ホワイトアトラス(後のアクシヴ)を立ち上げた上で、TRFや安室奈美恵さんが基礎を造り、 ELTを主力とし、レコード業界での一大勢力を築き上げました。

 しかし、2000年代に入るとCD市場の縮小などもあり、急成長に急ブレーキがかかりマイナス成長に転じます。

 2001年に天井打ちしていた営業効率が急落しています。2001年に悪化成り行き倍率が13年、2002年に悪化成り行き倍率が3年、2003年に悪化成り行き倍率が9年と警告が出ています。



1999-2003(表左)、2002-2006(表右)
【総合評価】
【営業効率】
【資本効率】
【生産効率】
【資産効率】
【流動性】
【成長性】
【安全性】



 2003年から会長兼社長の依田氏は、2004年からは日本レコード協会(RIAJ)会長、日本映像ソフト協会(JVA)会長を兼任しました。 かつては山水電気の取締役を務めるなど音楽関連の経営畑の仕事を続けてきたため、業界、政界や海外への強い影響力を持っていると言われていました。

  しかしながら、創業者である松浦氏との経営方針の対立が深刻化、松浦氏が退社したことで、看板歌手浜崎あゆみさんを筆頭とする所属歌手が移籍の動きを見せ、株価が暴落しました。それを受け2004年8月3日に依田氏は会長兼社長を辞任、名誉会長となり、同日日本レコード協会、日本映像ソフト協会の会長も辞任しました。 これにより、松浦氏はエイベックスに復帰しました。



2002年3月
2003年3月
2004年3月
2005年3月
2006年3月
【企業力総合評価】
(60以下は倒産)
131.50
123.71
124.82
111.53
104.10
増加総合評価 (1)
******
△7.79
1.11
△13.28
△7.43
改善か悪化か
******
悪化
改善
悪化
悪化
総合評価−60 (2)
71.50
63.71
64.82
51.53
44.10
悪化成り行き倍率
 (2)÷(1)
******
9
******
4
6
100−総合評価
△31.50
△23.71
△24.82
△11.53
△4.10
改善成り行き倍率
******
******
******
******
******


流動負債合計(百万円)
26,931
24,512
22,590
22,161
28,995
流動資産合計(百万円)
26,311
19,534
16,132
4,760
4,457
流動比率
97.70
79.69
71.41
21.48
15.37
当座資産
17,361
11,042
7,092
3,076
3,085
当座比率
64.46
45.05
31.39
13.88
10.64
現金預金(百万円)
8,273
3,844
2,902
2,926
2,683
現金預金比率
30.72
15.68
12.85
13.20
9.25


 流動性が悪化していますので、対策が必要ですね。


経営コンサルタント 山本一博

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