社長ための“会社の真の姿”発見 16

雪印乳業

〜あと一息の復活〜

 さて、今回は、雪印乳業の分析を見てみましょう。

 雪印乳業株式会社は、牛乳やバターなどを主力とした乳製品業界のトップメーカーでしたが、2000年、大阪工場の管理体制の不備など、複数の要因によって引き起こされた「雪印集団食中毒事件」が発生し、業績やブランドイメージが急激に低下しました。

 さらに追い討ちをかけるように、2002年、ハム・ソーセージなどの肉製品事業の子会社雪印食品による雪印牛肉偽装事件が発覚。雪印乳業グループ全体が存続の危機に立たされ、事業全体の再編成を余儀無くされる結果となりました。

 下に掲げる営業効率のグラフをご覧下さい。△5前後の最低値に近い状況でした。

 SPLENDID21の営業効率のグラフは、良でも否でもなければゼロにプロットされ、 営業の状態が良であれば、青信号領域に、否であれば、赤信号領域にプロットされます。 青信号領域で改善するほど、プラス値は上昇し、赤信号領域で悪化するほど、マイナス値は下降します。

 また、営業効率においても、業種によって異なりますが、最高値と最低値を持ちます。5を超えると最高値、 △5を下回ると最低値が近いのです。

 雪印乳業は2001年から2003年まで、営業効率は、△5前後の最低値に近い状況であり、営業マンは外回りするのも嫌な状況が続いたことでしょう。ですが、雪印乳業の営業効率は2005年には、青信号領域に復活しています。

 最低値に近づいた時には、「これ以上状況は悪くならないのだから、皆で力を合わせて頑張ろう。」と前向きに考えれば良いのです。



【総合評価】
【営業効率】
【資本効率】
【生産効率】
【資産効率】
【流動性】
【安全性】

 雪印乳業は、2004年から徐々に営業が回復の兆しを見せ、2005年には、営業効率は青信号領域に戻ったため、総合評価もついに青信号領域に戻りました。安全性も、もうすぐ青信号領域です。

 そのため、2005年5月に310円前後だった株価は、青信号領域に戻った後、2005年11月には、530円前後まで高騰しました。



2001年3月
2002年3月
2003年3月
2004年3月
2005年3月
企業力総合評価
(60以下は破綻懸念)
60.27
46.62
61.08
86.77
100.94
改善成り行き倍率
******
******
3
1
******
 何年後、健全経営に戻るかを示す、改善成り行き倍率は2003年に3年、2004年には1年を示していました。
2001年3月
2002年3月
2003年3月
2004年3月
2005年3月
総従業員数
23,275
20,300
9,350
7,902
5,152

 雪印乳業の復活は、従業員数の推移でわかるとおり、多くの従業員解雇の上に達成された復活です。

 雪印乳業は、さらなる営業効率回復のために、以下の項目を列挙しています。

■乳の機能性を活かした商品開発の推進

− 新需要創造型商品の開発 −

■チーズにおける競争優位の拡大

− ナチュラルチーズへの重点投資・需要拡大 ―

− 業務製品事業の強化 − 

− お客様の理解を得た価格戦略 −

■新たな発想による生産・調達・物流のコスト構造の再構築

− 原材料高騰によるコストアップの吸収と価格競争力の強化 −

■営業体制強化による戦略展開の一本化とスピード化

■原料乳製品事業体制の強化と研究・開発資源投入による脱脂粉乳の需要拡大

■機能性素材の世界展開

■安全・安心を前提とした全部門における更なるコスト構造の見直し

 流動性、安全性を青信号領域に復活させて、一刻も早く、以前のような、「元気印」企業に復帰していただきたいものです。




経営コンサルタント 山本一博

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SPLENDID21については
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