社長ための“会社の真の姿”発見 15

サイボウズ

〜リスク回避のためのM&A〜

 さて、今回は、サイボウズの分析を見てみましょう。

 サイボウズは、ネット閲覧ソフトで利用可能なグループウエアを開発販売している企業であり、ダウンロード直販が主力となっているようです。総合評価が180ポイント弱であり、営業効率は5ポイントを超えていて順調、成長性も良好ですが、M&A実行の結果、生産効率、流動性、安全性が右下がりになっています。


【総合評価】
【営業効率】
【資本効率】
【生産効率】
【資産効率】
【流動性】
【成長性】
【安全性】

 サイボウズの営業効率は、5ポイントを超えて好調ですが、サイボウズは、特定製品への依存が高く、特定商品の需要の変化によって、業績が直撃を受けるリスクがあるという一方で、現在の安全性、流動性は非常に良好です。

こういう企業は、先行するリスクを回避するため、M&Aを行なうことが多いのです。サイボウズの分析は、まさにこのケースに該当します。

サイボウズの有価証券報告書の、事業等のリスクの欄に、特定製品への依存に対する記述があります。

参考にしてみましょう。

 当社グループは、主に企業または企業の一部門向けに開発した情報共有化ソフトウエア、「サイボウズ Office」シリーズ及び「サイボウズ ガルーン」を主力製品として、ソフトウエアの販売を行っております。

 当社グループの売上高に占める「サイボウズ Office」シリーズ及び「サイボウズ ガルーン」の割合は、平成15年1月期85.2%、平成16年1月期86.2%、平成17年1月期86.5%、平成18年1月期44.4%(「サイボウズ Office」33.1% 「サイボウズ ガルーン」13.8%)と、特定の製品への依存度は落ちてきているものの、収益依存は未だ高い状態にあります。

 したがって当社グループの業績は、ユーザーの「サイボウズ Office」シリーズ及び「サイボウズ ガルーン」への需要の変化、「サイボウズ Office」シリーズ及び「サイボウズ ガルーン」の他社製品との競合状況の影響を受けます。


 下表を見てください。M&Aによって、数値は若干、悪化しましたが、まだまだ余裕のある数値です。サイボウズは、こういう状況を確認しながら、M&Aを実行しているのでしょう。

2002年1月
2003年1月
2004年1月
2005年1月
2006年1月
資本合計(100万円)
1,801
1,954
2,222
2,528
3,108
固定資産合計
(100万円)
191
211
295
357
2,583
固定比率
10.61
10.81
13.29
14.13
83.12
固定負債合計
(100万円)
15
15
0
0
969
固定長期適合比率
10.52
10.73
13.29
14.13
63.35
資産合計(100万円)
2,508
2,433
2,752
2,996
5,686
自己資本比率
71.80
80.32
80.76
84.37
54.67

 さて、サイボウズのM&Aの状況は以下のとおりです。

 平成17年年4月14日には子会社を通じて、株式会社インフォニックスの株式を取得する株式売買契約を締結し、同年5月18日に株式を取得。同年8月2日にはクロス・ヘッド株式会社を連結子会社化。同年12月27日には、ユミルリンク株式会社を連結子会社化。

 また、サイボウズの有価証券報告書の【対処すべき課題】には以下のように記載されています。

 当社グループは、引き続き、新たなビジネスサービス展開の実現に向けて、グループウエアのシェア拡大と機能強化による日常的習慣化を積極的に行う一方で、これら重点施策の実現に必要なサービスまたは補完的技術、顧客基盤を供給できる企業とのアライアンス、M&A等を検討してまいります。

 今後の経営基盤の維持・拡充の上で、人材の確保・育成は不可欠であると認識しております。優秀な人材獲得のために、引き続き、定期的な会社説明会の開催、Web上でのエントリーなど継続した活動を行ってまいります。

 今後の経営基盤の充実のために、積極的に社員のモチベーションを高める仕組み作り、教育制度の充実を図ってまいります。



 上記文章と符号するように、売上高の伸び率以上に、従業員数が伸びていて、そのため、SPLENDID21の生産効率の指標が下落してきています。


2002年1月
2003年1月
2004年1月
2005年1月
2006年1月
売上高合計(100万円)
2,618
2,245
2,660
2,923
5,954
売上高増加率
0.00
△14.23
18.48
9.87
103.69
資産合計(100万円)
2,508
2,433
2,752
2,996
5,686
総資本増加率
0.00
△3.01
13.13
8.86
89.77
従業員数
88
96
114
135
523
従業員増加率
0.00
9.09
18.75
18.42
287.41
経常利益(100万円)
619
387
452
524
858
経常利益増加率
0.00
△37.40
16.67
15.92
63.72


 サイボウズの指標をみる際の着眼としては、生産効率の数値がどこで反転してくるかが、最大のポイントになると思います。

経営コンサルタント 山本一博

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SPLENDID21については
http://www.sp-21.com



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