社長ための“会社の真の姿”発見 12

山善

〜得意先の影響が顕著に現れている例〜

 今回は、機械・工具、住宅設備・家庭用機器の大手専門商社、山善の分析を通して、得意先業界の状況の推移をウォッチすることの重要性を述べたいと思います。

 得意先の安定度や回復度に、山善の総合評価が影響されていることがみてとれます。

【得意先のうち業績の安定した自動車業界】
【トヨタ自動車】
【日産自動車】
【本田技研工業】
【山善】
                            5期通じ底上げに貢献→
【得意先のうち2003年から業績をV字回復した家電業界】
                      2003年のV字回復が2004年の業績回復↑
【東芝】
【日立】
【三菱電機】
【松下電器】


 山善の有価証券報告書の工作機械部門の業績評価とSPLENDID21における自動車業界、総合電機業界の企業力総合評価を時系列で比較してみましょう。

【2002年】 自動車業界向けの受注は堅調に推移しましたが、総体的に国内景気の低迷やIT、半導体関連業界の設備需要が激減し、特に夏場以降、受注面で大幅な落込みを見ました。その結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ22.5%減の40,751百万円となりました。

【2003年】 自動車関連業界向けは堅調に推移しましたが設備需要は総じて弱含みで、特に期前半の不振が大きく影響しました。その結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ13.5%減の35,253百万円となりました。

【2004年】 自動車関連業界の堅調な需要が中小の部品加工業界にも裾野が広がっていることに加え、家電の新三種の神器といわれるデジタルカメラ、DVDレコーダー、薄型テレビ(プラズマ、液晶)といったデジタル家電市場が拡大を続け、それに伴い設備需要が急速に拡大し、売上高は45,073百万円(前期比27.9%増)となりました。

【2005年】 自動車業界の堅調な需要が中小の部品加工業界にも裾野を広げていることに加え、デジタル家電市場の拡大により設備需要が増勢となり、工作機械の受注高は大幅に増加しました。その結果、売上高は62,232百万円(前期比38.1%増)となりました。

【2006年】 自動車業界の旺盛な設備需要が中小の部品加工業界にも裾野を広げていることに加え、一般機械向けも好調を持続し、工作機械の受注は堅調に推移しました。当期の受注高は、日本工作機械工業会の国内受注高(内需)の11.6%にあたる86,607百万円(前期比21.4%増)となり、その結果、売上高は77,605百万円(前期比24.7%増)となりました。


【山善の各指標】
【営業効率】
【資本効率】
【生産効率】
【資産効率】
【流動性】
【成長性】
【安全性】

2002年3月期
2003年3月期
2004年3月期
2005年3月期
2006年3月期
売上高合計(100万円)
259,248
246,107
273,902
308,348
341,785
売上総利益(100万円)
31,026
29,033
31,714
34,504
38,281
売上高総利益率
11.97
11.80
11.58
11.19
11.20
営業利益(100万円)
1,307
1,386
3,405
6,392
9,221
売上高営業利益率
0.50
0.56
1.24
2.07
2.70
経常利益(100万円)
1,075
1,146
3,303
6,295
9,836
売上高経常利益率
0.41
0.47
1.21
2.04
2.88
当期利益(100万円)
444
429
△1,118
3,012
7,055
売上高当期利益率
0.17
0.17
△0.41
0.98
2.06
 SPLENDID21の分析を、有価証券報告書の記述に併せると非常に記述が理解しやすくなり、また記憶に残りやすくなります。まるで、山善の業績は、自動車業界とIT・半導体業界の合成によって出来上がっているようです。自動車業界とIT・半導体業界をウォッチすることは、山善にとってはとても大切なことであることが理解いただけたと思います。

経営コンサルタント 山本一博

 

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