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パイオニアの窮地 〜わずか1年で何が起きたか〜 |
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今回は、パイオニアをSPLENDID21(以下SP21)で分析することを通して、競合他社分析、業界分析の重要性を検証しましょう。なぜ、好調な業績を維持していたパイオニアが下図のように、総合評価を急落させたのでしょうか。
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しかし、ソニーショック後、ソニーは「選択と集中」を行い、プラズマパネルから撤退し、液晶に経営資源を集中しはじめました。その結果、ソニーをプラズマパネルの外販先として囲い込むことはできなくなり、アテが外れて営業効率がダウンしたことが、総合評価を悪化させた1番目の理由です。 2.総合評価が悪化した2番目の理由は、松下電器のプラズマパネル分野への攻勢です。 パイオニアは、松下電器の業績回復が結構もたつくというヨミだったに違いないと思います。以前検討したように、中村社長のようなカリスマがもし存在しなかったならば、「ああでもない、こうでもない」という議論が続き、改革が遅れるということはよくあることだからです。 しかし、中村社長はパイオニアの予想を見事に覆し、松下電器の終身雇用制という歴史さえも破壊し、「選択と集中」を行い、液晶パネル事業部門の主導権を東芝に渡し、こともあろうか、パイオニアの牙城であるプラズマに食い込んできました。尼崎工場に巨額投資を行うなど、松下電器の攻勢は、なおも続いています。これが総合評価悪化の2番目の理由です。 パイオニアは、2つの黒いオセロに挟まれた白いオセロのように苦境に立ってしまいました。ソニーショックによるソニーのプラズマ撤退が一方の黒いオセロですが、もう一方の黒いオセロは、「秀吉の中国大返し」を連想させる松下電器の奇跡の復活とプラズマ市場への攻勢なのです。 3.それではパイオニアのSPLENDID21の各指標を見ていきましょう。 低価格化競争によって利益が圧迫され、粗利益率は10%近くダウンしたことが原因です。2005年3月期は87億円の当期損失となりましたが、2006年3月期も当期損失になることも予想されており、そうなると総合評価が黄信号領域に突入するか、あるいは黄信号領域を跳び越して、一気に赤信号領域に転落することもありえます。 2005年3月期の営業効率はすでに赤信号領域に突入していますし(グラフ赤○)、流動性の評価は青信号領域にありますが、下落する線分が長くなり、将来の赤信号領域突入を予測させる流れになっています。
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パイオニアの自己資本比率は40%超ですから、それほど安全性は悪くありません。しかし、営業効率は急速に悪化してきており、悪化成り行き倍率はすでに2年後、危険ゾーンに突入する可能性があることを示しています。(下表○) パイオニアは、松下電器産業の2002年3月決算と同じような状況になりつつあります。パイオニアは、プラズマテレビ、DVDレコーダー、カーナビゲーションを事業の3本柱に据えていますが、プラズマとDVDが営業赤字となっています。 窮地を脱出できるかどうかは、新社長が松下電器産業の中村社長のようなリーダーシップを発揮し、「破壊と創造」を行うことができるかどうかにかかっているといえるでしょう。
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(SPLENDID21の総合評価が、100超=青信号領域は一応の健全経営、80超100以下=黄信号領域は要経営指導、60超80以下=赤信号領域は要注意経営、60以下は破綻懸念領域)
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まとめ 正常圏で推移していた会社が突然、あと1年、2年という程、業績を悪化させることが見てとれます。競合他社分析、業界分析から学ぶことは沢山あります。 |
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経営コンサルタント 山本一博 |
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株式会社戦略経営研究所 東京都新宿区西新宿6-8-1 SPLENDID21については |
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