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ブランドが生まれる時 |
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●メルセデス・ベンツが選んだ市場の背景 現在のダイムラー・クライスラー社の前身となったメルセデス・ベンツ社は、1926年にフォードの大量生産車に自社市場が侵食されたため、ドイツ車の強化を図るためにベンツ社とダイムラー社が合併して生まれた企業です。 安価なアメリカの量産車に対してメルセデス・ベンツ社が選んだ道は、ラグジュアリー・カー市場で優位性を発揮することでした。メルセデス・ベンツ社はその技術を第二次大戦前からレースに参戦して耐久性とスピードを磨き、その成果を高級車として世に問うたわけです。 1930年代に技術者マイバッハ(この名前を冠した超高級車が発売されていますね)は、メルセデス・ベンツ770というクルマを開発し、世界の要人に利用されることになります。日本でも1935年に昭和天皇の御用車として採用され、戦後まで利用されていました。昭和天皇が利用された御用車の映像をニュースなどでご覧になり、ご記憶の方もいらっしゃると思います。 ● メルセデスというブランド名が誕生した由来 日本ではベンツと呼ぶ人が多いですが、欧米ではメルセデスという呼称が一般的です。このブランド名の誕生には、逸話があります。 1930年代にオーストリア総領事を務めていたエミール・イエリネックが、将来の自動車産業の隆盛を予見して自動車ビジネスを始めます。 イエリネックは合併前のベンツ社に35台のクルマを発注する代わりに、二つの条件を提示します。 ひとつはアメリカとヨーロッパの販売権を持つこと。 もうひとつは販売する新型車メルセデス35PSに、ある名前をつけることでした。「クルマを好きになってもらうには、女性の名前をつけるべきだ」という発想の元、イエリネックは自分の愛娘の名前であるメルセデスを命名するという提案です。 こうしてメルセデス・ベンツ社は、35PSというクルマから「メルセデス」というブランドネームをつけることになるのです。以降今日まで、メルセデス・ベンツとして、そのブランド名は引き継がれています。 商品名とブランド名の違いがあるとすれば、その名前をつけた背景にどんな逸話が隠されているかにあります。モノづくりを行う過程で、企業は数多くの問題や課題に直面するわけですが、実はこうした時にこそ、関係者にしか生み出せないブランドの資源が生まれるのです。 経営者の価値作り・・・成功する経営者は、自社商品の機能性以外に、顧客に語り継がれる逸話をつくり、それをブランドの資産に変える発想を持つ。 |
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酒井光雄 |
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