社長のための “価値づくり”100話 75

問題は別の場所に潜む?


●「士」ビジネスに必要な2つの隠れたスキル

 「士」のビジネスとは、税理士、公認会計士、弁護士などを指します。国家資格が必要なので、資格で仕事が出来ると考える人には人気があります。

 ところがこの「士」のビジネスで成功するには、実は誰も教えてくれない必要不可欠な要素が二つあります。ひとつは営業力です。いかに専門性を備えていても、顧客開拓力がなければ取引先を見つけることができないからです。

 もうひとつは顧客維持のためのノウハウです。企業に顧問契約をしてもらうには、毎月の契約料金に見合う継続性のあるノウハウと定期的な助言の提供など、顧客継続率を上げる仕組みが必要になります。

 しかしこの二つのスキルは、学校では決して教えてくれません。何故なら人に物を教える職業に就く人(先生と呼ばれる人)の多くは、人に気を遣う行為や、自分や自社を売り込む営業センスを持たない(こうした行為が嫌いな)人が選び易いからではないかと思います。

 また本人にも原因があります。人よりも知識が豊富で、また難関を突破して入手した資格を持つとプライドが生まれ、どうしても権威を誇示したくなります。人に頭を下げることが、知らぬ間にできなくなる傾向がある気がします。


●資格取得者の盲点

 例えば日本の税理士の平均年収は約916万円といわれています。年収が1億円を超える人もいるようですが、少ない人では300万円以下だそうです。同じ資格を持ちながら、こうした格差が生まれるのは、専門性以外に先に述べた二つの力に気付いていないからではないでしょうか?

 こうした状況は、弁護士や歯科医師も同様です。極めて専門性が高く、相当な力量を備えている人を除くと、やはり二つの力に気付いていない専門家が多く、経営が行き詰る気がしてなりません。


●企業にも当てはまる盲点

 ひるがえって、企業の立場で考えてみると、やはり同様の問題に気付きます。商品力や技術力が高い企業ほど商品の力に依存し、広報活動も含めた営業力が弱く、既存顧客の離脱率が高い可能性があります。

 顧客は商品力だけで満足するわけではなく、地道な営業活動やアフターサービス、既存顧客を大切に行動する企業姿勢も含めて評価しているからです。経営者が問題視する分野以外に、盲点はないか?

是非あなたの企業でも、再考して戴きたいと思います。


経営者の価値作り・・・商品力のある企業ほど、営業力や既存顧客の継続率を向上する経営視点を重視すべきだ。

酒井光雄




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