社長のための “価値づくり”100話 71

観客とプレーヤーの違い


●観客はスタンドから勝手なことを口にする

 野球やサッカーで、観客は試合中に選手に向かって実に勝手なことをスタンドから口にします。「あの時、あそこであの選手がこうしていれば、負けなかった」とか、「あの監督がいたから、あのチームに勝てた」など、時にはひどい野次まで飛ばすことがあります。

 ではそうした観客はプロになれるほどの力量を持っているのかといえば、絶対にそうなれない人たちばかりです。自分がプレーしない人ほど、プレーする人のことを批判する。このセオリーはスポーツに限ったことではありません。良い例がビジネスです。

 「あの会社のここがおかしい」「あの経営者ではダメだ」「あんなビジネスが成功するわけがない」「そんなことをすると、きっと失敗するよ」など、やる気をそぐ発言をする人が必ずいるものです。


●皆がいいという商品はブランドにならない
     
 企業とは、ともすれば多くの顧客に愛されようとして、本来とがっている個性をわざわざ丸くし、どこにでもある、個性のない商品や事業にしてしまうことがあります。

 「あの人がこういったから」「調査したらこんな結果が出たから」「ウチの娘が嫌いだといったから」など、理由は様々です。

 経営者や担当者に確固たる考えや自信がないと、判断基準が揺れ動き、他人の意見に左右されてしまいます。

 心ある人の意見を聞き、調査をして検証することは重要です。ですがそれは仮説があって初めて効果を発揮します。作り手として、他では絶対にできない、あるいは真似のできないことを考え、実行に移したとき、圧倒的な存在感となって商品や事業が輝き始めるのです。

 根拠のないこだわりや、人の意見を聞かない頑固者では困りますが、これだけは譲れないという価値観だけは絶対に守ることです。そして目先の売上げを上げることに目を奪われ、企業として絶対にしてはならない過ちを起こさないで下さい。例えば売れないからといって、価格を下げ、万人に売ろうとすることなどが良い例です。

 

経営者の価値作り・・・自社の顧客を定め、明快な仮説が浮かんだら、迷わずに実行してみるべきだ。顧客にならない人からの批判や非難が多い分、圧倒的に支持してくれる顧客がそこに必ず生まれる。

酒井光雄




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