社長のための “価値づくり”100話 70

価値で売るサービス

●サービスを向上させても収益が向上しない訳

 ホテルやレストランなどサービス産業に限らず、メーカーも顧客に継続購入してもらうために、高付加価値サービスを付与する時代に入りました。

 デジタル家電などが良い例で、如何に高付加価値の新機能を付与しても技術開発が日進月歩で、価格を高くするどころか新製品の価格は下落するカテゴリーまで存在しています。

 そこで多くの企業はサービスの重要性に気付き対応策を取り始めましたが、ここで問題が起こります。サービスを高度化させても収益が上がらず、コストが増えると考える企業があることです。それは本当でしょうか?

 価格競争を前提にしている企業では、確かにサービスを高度化させても、収益は思ったように向上しません。それは顧客側がサービスより、価格の安さを求めているからです。最終的な購入基準が安さであれば、サービスが良くても、商品にサービス料が付加できません。


●サービスで付加価値を売れるところ

 サービスを高度化させて、販売価格に反映できる企業とは、最初から自社商品(サービス商品も含みます)を価格の安さで勝負しません。高度なサービスを受けたいと考える人は、サービスを受けるために対価を支払うのであって、商品本体だけを見ている訳ではありません。

 一万円と一万五千円のビジネスホテルがあるとしたら、あなたはどちらを選ぶでしょう? またその選択基準は何でしょうか?

 「仕事で利用するんだから安い方がいい」と多くのサラリーマンは考えるでしょう。それは出張経費に制約がある人だから当然です。自腹を切りたくない人なら、価格の安さを最優先するでしょう。

 しかし「評判になっているから、高いけれど評判のサービスを体験するためにそのホテルを利用してみよう」と考える人は、研究費として認識するか、自己投資する人。あるいは出張中でもより快適に過ごしたいと考える人もいるでしょう。

 さて、あなたならどちらの顧客を対象にビジネスをしますか?またどちらのビジネスに経営者としてやり甲斐を感じるでしょうか?そこに経営者の個性や性格が発揮されます。


経営者の価値作り・・・価格を最優先する顧客が多いから、どの企業も同じ価格の安さを売り物にする土俵でビジネスをする。ここで発想と視点を変えれば、全く新しい高付加価値市場が見えることに多くの経営者は気付かずにいる。

酒井光雄




出版局トップにもどる
日本経営合理化協会 出版局 TEL:03-3293-0041