社長のための “価値づくり”100話 58

米国のデパートに見る富裕層向け企画

●恒例のノードストローム クリスマスカタログ

 米国のデパート、ノードストロームのクリスマスカタログは、毎年話題になる商品が紹介される。富裕層を相手にする業態で、しかも年間で最高のビジネスチャンスともいえるクリスマスシーズンとあって、日本では絶対に見られない商品が登場する。

 過去に登場した商品には、映画『スターウォーズ』の撮影に使用されたX−ウイングの実物大戦闘機も登場している。こんな大きなものを置けるスペースを持つ富裕層がいるのも、米国ならではだ。

 また販売方法も定価販売だけでなく、人気の出そうな商品は最低入札価格が提示され、希望者はその金額から入札するオークション形式を取る物まである。

 そこで気になる今年の商品だが、

 ・350万ドルの空飛ぶ自動車、スカイカー

 ・7万5千ドルのインディカーレース4日間体験
  
(プロレーサーとの体験走行とホテル料金込みの特別観覧席と
   インディレースのゲーム機付き)

と共に、一番目についたのは、

 ・150万ドルのエルトン・ジョンのプライベートコンサート開催権
  (米国国内での開催を条件とし、開催記念としてラスベガスのシーザース・
   パレスにあるエルトン・ジョンが使用した特注の赤いピアノ付き。
   150万ドルは全額AIDS基金に寄付される)だ。

 このコンサートはお誕生日や結婚祝い、記念日のギフトなどにいかがですか?とカタログには解説されている。ちなみにこのコンサートは商業用の目的には利用はできない。目玉になっている商品は、どれも入手できる人の数は限定されている。



●富裕層が好む嗜好は大衆化し、長続きする

 一時期日本ではテニスのブームが長く続いたが、それは軽井沢で当時の皇太子と美智子さんの恋が成就したことが、大衆をテニスに惹きつけた。またワインも富裕層のグルメが好んで飲むため、スノビッシュなイメージがあり、レストランの顧客単価向上に貢献している。

 ブームと呼ばれるものは、大衆から始まったものは短命に終わるが、富裕層からスタートしたものは長寿(商品寿命など)になることは、あまり知られていない。軽井沢やビバリーヒルズの地位がいつまでも高い理由にも、こうした背景が存在する。

 富裕層の好む嗜好を研究し、彼らの動向を押さえて先読みすれば、それが何れ大きなマーケットになる。

経営者の価値作り・・・自分にも社員にも投資して、良い物を嗅ぎわける目と鼻を供えた企業になると、投資した以上のリターンが企業にも個人にも、もたらされることを、成功している経営者は知っている。

酒井光雄


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