社長のための “価値づくり”100話 54

フラッグシップモデルの役割

●ブランドには手が届かない存在がいる

 過日レスサスに対抗して、ダイムラー・クライスラー日本(株)が主催した「メルセデス・ベンツ・エクスペリエンス」というイベントに出掛けてみた。メルセデスの正規販売店も合同で参加している(といっても、ヤナセ以外に気付かなかったが)ので、どんな人たちがオーナーなのかを観察する意味もあった。

 このイベントの目玉商品(古いね、この表現は。さしずめキラーコンテンツというべきか)は、SLRマクラーレンだ。この車は、イギリスのマクラーレンとメルセデスベンツが共同開発し、イギリスの専用工場で生産されているスーパースポーツカーだ。

 伝説のガルウイングドアを復活させ、メルセデスAMGがSLR専用に開発したスーパーチャージャー付5.5リットルV8エンジンをフロントミッドシップに搭載している。

 日本では、専門サービス体制が必要だとして、ダイムラー・クライスラー日本社が直接販売している。ちなみに気になる価格は、5,775万円で、分譲マンションが購入できるプライシングだ。



●企業のブランド価値を向上する役目

 マイバッハやSLRマクラーレンのような役割を果たす商品を、フラッグシップモデルと呼び、企業のブランド価値を向上する役目を果たす。フェラーリのように全ての自動車がほとんどの顧客に手が届かない価格に設定している企業もあるが、メルセデスやBMWのように量産する企業では、こうしたフラッグシップモデルがいる。

 企業の技術力を向上させるために、ホンダがF−1に参戦したのも、同様の意味があり、クレジットカードのアメックスがセンチュリオンカード(世間ではブラックカードと呼ばれるが、破産者リストではありませんよ)やプラチナカードなども同様の役目を果たす。

 もっともアメックスのように、プレステージカードを連発しすぎて、価値が低落している企業もある。ちなみにアメリカでセンチュリオンカードやプラチナカードをお店で使っても、特段にサービスがよくなるとか、特別サービスが受けられるということはない。名刺を出しても誰も自社のことを知らず、いつも傷付いている経営者が欲しがる気持ちは、酒井にもわかるが・・・・



●フラッグシップモデルが成功する条件

 だが面白いことに、廉価品や普及品を出して成功した企業や商品では、こうしたフラッグシップモデルを市場に投入しても効果はない。一度廉価品で大量生産した商品を世に送り出した企業には、高額商品を購入する顧客は関心を示すことが少ないからだ。

 ただ奥さんには、普段お安いものしかプレゼントしない人が、高額商品やブランド力のある商品を贈るのは効果がある。但し「何か悪いことでもしたんじゃないの?」と勘ぐられる可能性はあるけれど・・・・

 

経営者の価値作り・・・顧客に価値を売る経営者は、フラッグシップモデルの効用を知っている。

酒井光雄




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