社長のための “価値づくり”100話 52

経営者の判断基準

●日本にありそうで、実はないメディア

 マウイ島は、ビバリーヒルズに暮らす富裕層でも訪れたいリゾート地として知られている。NHKが放送していた「ビバリーヒルズ高校白書」シリーズでもマウイは登場するし、A・シュワルツネッガーさんも休暇を過ごす地に選んでいる。

 ちなみに市長になる前、彼がフォーシーズンズ・ホテルに家族で滞在していた時は、ホテル従業員の制服を着たボディガードがプールサイドで警備していた。やはりVIPは違う。ちなみに彼が大阪を訪れる際には、ザ・リッツ・カールトン大阪を利用する。

 さてそのマウイで見つけたメディアが、写真のフリーペーパーだ。日本のそれとは違い、フルカラーで上質紙を使ったこの冊子は、マウイにある町(ラハイナ・カアナパリなど)の特徴・地図・レストラン・ショッピング・不動産・画廊・レジャーなどが紹介されている。設置されているのは、スーパーや飲食店などだ。


●顧客層に合わせた情報提供

 リゾート地に人が出掛けると、今日は何を食べようか・・・から始まり、妻や子供の買い物やお土産を見つけられる場所、有意義な夜の過ごし方、次回利用するホテルやコンドミニアム、超高級貸し別荘の下見まで、顧客層それぞれに、実に多くの情報を必要とする。

 サイトが誕生し、固有名詞がわかり詳しく知りたい時には重宝する。だが初めて訪れた場所では土地勘が働かず、また休暇までに多忙で旅先の情報を集められないことも多い。富裕層たちが5つ星ホテルを利用するのは、見栄などではなく、自分たちが望むサービスやもてなしが確実に入手できるからだ。

 家族と出掛けた旅先の宿泊施設で不快な目に遭ったら、お金では取り返せない。また自分のことを知らない施設より、顧客データが行き渡っていて、高度なもてなしが受けられる場所が良いに決まっている。



●ニッチの市場パワー

 人は自分が経験したことが、判断基準になる。だから経営者が自己投資を自分と家族にしていないと、顧客の求める価値に気付かず、判断基準を誤る。

 例えばハワイと聞いて、ワイキキ周辺のホテルやリゾートしか知らなければ、格安ツアーで海外旅行に出掛ける層のハワイしか知らないことになる。

 酒井も仕事は好きだ。だからこそ休暇を取り、更に仕事の意欲を高め、充電する。そしてそこでは価値ある時間とお金を使う。そうしなければ、顧客層別の判断基準が曇るからだ。



経営者の価値作り・・・正しい判断基準を持つ経営者は、妻子と出掛ける旅行や外食などに投資する。それは顧客の反応を知る、一番の手掛かりに繋がることを知っているからだ。

酒井光雄




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