社長のための “価値づくり”100話 51

オジサンのファッション市場

● ネクタイを外して、何を着る?

 お上がクールビズを打ち出してくれたお陰で、この夏は酒井も大いに恩恵を受けた。猛暑の中でお取引先にお邪魔する際にもネクタイをせずに済ませられたからだ。もともと酒井はカジュアルウエアが大好きなので、本当に助けられました。

 国土交通省が管轄する委員会で、全国を調査する仕事が毎年夏にある。夏に実施されるのは、大学教授を始め学識経験者が夏休みに入り、日程が組み易いからだが、猛暑の中で屋外を調査する方は結構大変だ。

 今年は現地調査に際しては、夏季の軽装の励行についての大臣指示(クールビズでよいとの内容)の通達が届き、クールビズの着こなし例までつけてくれた。デパートの三越が協力して作られたこの着こなし事例は、ここまでしないとオジサンがカジュアルウエアを着こなせない証ともなり、酒井には非常に面白い資料となった。(資料参照)


● ダークスーツに合わせるシャツで、ネクタイを取って着るととんでもないことになる

 さてこのクールビズだが、ダークスーツにネクタイを合わせるシャツを着ても、様になるはずはなく、オジサンは何を着てよいのか困る事態を招く。だから三越が協力して着こなし事例を作り、自社に呼び込むきっかけを作っているわけだ。

 団塊世代以上の男性たちの多くは、ファッションの洗礼を受けておらず(実は洋服だけでなく、音楽やレジャーもほとんどノウハウを持たない)、この人たちのカジュアルウエアはかなり悲惨だ。

 会社という場所ならスーツを着ていれば、何とかなると思っているが(実は何ともなっておらず、縞のシャツに縞のネクタイという驚くべきセンスの着こなしをする人も散見する)、ネクタイという凛々しく見せる道具を奪われると、多くの年配の男たちはどうしていいのかわからなくなる。



●まだ潜在市場はたくさんある

 ファッション市場は飽和したように見えるが、この事例を見ても実はそうではないことがわかる。女性や20代から40代男性なら着こなしが上手い人も多く、ブランドも販売する店舗も選択肢は多い。だが中高年男性はカジュアルウエアを選ぼうとしても、使える店舗も商品も少なく、この市場はまだ手付かずだ。

 お金を持ち(50代以上なら住宅ローンも子供の教育費も共に支出が終わる)、お金が使えるのに使い方がわからないマーケットがここには存在している。この市場にいち早く気付き、成功している京王百貨店を参考にするといい。このデパートにはシャワールームまで備えられている。その理由は高齢者が失禁しても、身体を綺麗にできるからだ。

誰でも歳を取る。

その時、自分はどうされたいのか?

それを経営者が考えてこそ、成功するカギが見つけられる。

経営者の価値作り・・・鼻の利く経営者は、お金を使いたがっている顧客を見つけ、顧客に喜ばれながら新しい市場を創造する。

酒井光雄




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