社長のための “価値づくり” 121

悩みのない経営者などいない




●経営者の悩み

 業績が好調で、人から羨まれるように見える経営者でも、悩みを持たない人は存在しません。
 事業が好調でも、自身や家族の健康が優れない。
 業績が急に拡大したせいで、社員が疲弊してしまい、不満が溜まり社内の雰囲気が悪くなっている。
 社員と経営者との関係は良好で家族とも円満なのに、会社が赤字になってしまった。
 こうした状況は、経営者なら誰でも経験していることだと思います。
 会社の業績と社員の満足、家族との関係、そして、経営者自身の健康や意欲など、どこにも問題がない人生を過ごすのは、とても難しいように見えます。


●成功の代償

 事業を拡大して、誰もが一目置く経営者や、普通の人にはとても成し遂げられない卓越した専門性や個性を発揮するプロフェッショナルたちの私生活が紹介された記事や番組などに触れると、奇妙に共通していることがあります。
 成功する度合いが高ければ高いほど、何かしらの不幸や出来事に遭遇しているケースが多いことです。

 例えば誰もがその名を知る、世界のソムリエコンテストで優勝したあるソムリエの方は、大切なお嬢様をコンテストの前に亡くされています。
 凡人では成し遂げられない成功を手にする人は、まるで成功の代償を支払っているかのように見えます。

 私は迷信を信じるわけではありませんが、その人の生きるエネルギーが強ければ強いほど、他の人からエネルギーをもらっているような気がしてなりません。


●社会への貢献

 成功している人たちや企業家の中には、社会貢献活動を行っている人が多いこともまた事実です。
 そのきっかけは様々ですが、どこかで社会に還元する気持ちを持たれたわけです。

 近年企業の社会貢献活動(メセナ活動と呼ばれます)や社会的責任(CSR)が注目されていますが、事業を推進して成功を収めた企業には、事業活動を通じて社会の役に立つことはもとより、どこかで社会に還元することが必要なのかもしれません。

 日本を代表する企業を育てた創業者が、何かしらの社会貢献活動やボランティア活動を推進してきたことも偶然ではない気がします。
 そして、こうした活動が生活者の知るところとなり、その企業に対する評価が高まり、結果的に企業や商品のブランド価値が高まっていることも事実です。

 代償を支払うという意味でなく、成功した恩返しに社会に貢献する活動を行い、それが企業の評価をさらに高めるなら、社会貢献活動とはひとつの試金石なのかもしれません



経営者の価値作り・・・事業を通じて顧客に喜んでもらい、さらに社会に貢献する活動を行うことで、企業価値は確実に拡張する。






酒井光雄




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