社長のための “価値づくり” 116

         ブランドに必要な女性的感受性



●男性は機能性を、女性は情緒性を生み出す

 ブランド力を生み出す商品には、「機能的な価値」と「情緒的な価値」というふたつの価値が必要です。
 新技術の開発に代表されるように、商品機能を開発するのは、男性が得意とする領域です。
 デジタル家電のように、新技術の開発競争が激しい分野では、男性的な感性が重視され、新製品には機能を優先した商品が続々と登場します。

 企業の技術開発が踊り場に入り、機能による違いが明確に出せなくなるステージに入ると、機能を複合化させた新製品が登場してきます。
 家電製品や携帯電話を見れば、その状況はおわかりになると思います。

 そして市場と商品が成熟してくると機能による違いが出せなくなるため、次のステージに移ります。それがデザイン化とカラー化のステージです。
 現在ソフトバンクが24色から選べるカラー携帯電話を打ち出していますが、携帯電話市場も成熟期に入ってきたことがわかります。
 このステージでは、女性的な感性が必要になります。

 デジタル機器と違い、洋服やクツ、バッグといったファッションカテゴリーでは、もともと機能による違いを発揮することが難しく、また顧客も機能性だけを求めているわけではありませんから、デザイン化とカラー化が商品開発で重要な役目を担います。
 こうした分野では、女性デザイナーや感度の高いデザイナーたちが活躍しています。


●コモディティ化した市場を変革する決め手

 機能開発が激しい商品分野では、商品開発のスピードが早く、新製品がすぐに陳腐化してしまうので、企業と商品のブランド力が思ったほど発揮できません。
 家電製品やデジタル機器などの分野では価格の下落率が高い上に、他の商品分野と比較してブランド力よりも機能面が重視されて選ばれる傾向があります。

 各社の機能開発が減り商品価格の下落が続くと、市場として魅力に乏しくなるため、メーカーは力を入れなくなり、海外でつくられた安い商品が主流を占めるようになります。これがコモディティ化です。

 しかしこの分野で注目したい動きがあります。
 イデア インターナショナル 
 
http://www.idea-in.com/products/index.html という企業は、置時計、家庭用電話機、加湿器、腕時計、タップコード、電気コードなどの商品分野でデザイン化とカラー化を図り、他社にない独自性を発揮しています。
 こだわる人たちのインテリアに調和するようにデザインされ、無味乾燥だった商品に息吹を与えています。もちろん価格が安いわけではありません。

 熾烈な新機能開発に挑み、自社の強みを発揮する方法もあります。その一方で、他社が諦めてしまった商品分野をデザイン化して、他社にない優位性を発揮する方法もあります。この方法を取るには、女性的感受性を理解した経営陣とスタッフが必要になります。

経営者の価値作り・・・機能開発が激しい分野では、男性的感受性が必要になり、成熟した市場では、女性的感受性が不可欠となる。ブランドを生み出すには、この両方の感受性を使い分けて発揮することだ。




酒井光雄




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