「社長のための資金調達」89号

社長のための資金調達・銀行対策の実務 89

 「後継者の育成と経営会議のあり方


 私の顧問先で約60年、続いている中堅の印刷業関連の会社があります。

 不振といわれる印刷業界の中でも、業績は堅調に推移しており、現在は2代目の社長が手堅く経営しております。この印刷会社は、速記・印刷からのスタ−トでしたが、時代とともにビジネスモデルを小部数、多品種でも収益を上げられるオンデイマンド型の印刷・出版業というモデルを確立しました。

 ここはグル−プの幹部を月1回集めての「拡大経営会議」という経営会議を実施しています。この会議では、前月までの月次B/S.P/L、特記事項・新規取組事項等を、この先、会社を任うであろう若い役員に発表をさせているのです。

 その目的は、銀行の借入方法やその詳細、キャッシュフロ−の状況などまでを、全役員の共有情報として、正しく共有・管理することです。

 このことによって、前月の売上げが何でこんなに伸びたのか、なぜ原価が通常より増えたのかをすぐにチェックを行い、その原因を探ります。

 また常に前年同月(同時期)の数値を対比し、比較できるように作表しますので、会議に参加した人誰でもが経営上の異常をすぐ分かるようにしているのです。

 同族の会社では、親族以外に見られたくない数値もあることでしょうが、経営上の数値をオープンにした会議を行うことにより、後継経営者の実践、育成の場として非常に役に立つのです。

 後継者育成のための会議のポイントは、関与の税理士さんや外部の顧問や専門家を会議に出席させることです。自社幹部だけの意見だけでなく、専門家のプロとしての判断ポイントや重要な意見もコメントされますので、会議に参加することによって勉強にもなります。

 この会社は歴史も古く、もう何百回という会議が続いていますが、会議のマンネリ化防止のために、毎回ゲストを呼んだりといろいろと工夫し、会議の目的を明確にしていることです。 会議ひとつで、会社が活性化する好事例です。

大久保直之

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