社長のための資金調達・銀行対策の実務 58

 「中小企業が危機に陥ると銀行は…」

 

 中小企業が、3期連続の「赤字決算」となり、しかも、その額はとてつもなく多額…、実質的に債務超過の状態で、はっきりと言い切れる先の見通しも具体的(数字的)に立てられない… 


そんな、経営者として「聞きたくない」「考えたくはない」状況に陥ると、必ず金融機関は企業の債権支援ではなく、回収手続きに入ることになります。

多くの場合、担保物権は「任意売却」もしくは法的処理として「競売手続」に入ることがあります。

 最近の特徴として、大手の金融機関は「回収先」(要注意先のうち要管理先やそれ以下の債務者区分)の企業には、債権や担保権は現状の金融機関所有のまま、管理の担当者や担当窓口をサービサーに指定するケースが増えてきました。

 いくら「当社は○○銀行○○支店との取引…」と主張しても、「今後は○○銀行○○支店との延滞債権につきましては債権会社であります当社が、○○銀行の委託を受けて行うことになりますので…」というような流れになります。

 もし、こういう流れになってしまった場合、債権回収会社と地道に協議することも交渉方法のひとつであります。

 もう、これ以上の借入は原則出来ないと思い、以下のことを考えます。

●「超長期の返済のお願い…」

●「定額の返済をサービサーへ債権譲渡の上で行う」

●「整理回収機構へ債権を売却してもらう…」

(整理回収機構への担保付債権の売却は、ケースによっては、その方がよい場合もあります)

●「その他のサービサーへ債権譲渡してもらう」

(この段階の買取額は、債権額からの減額が常識。)

などです。このような状況では、経営者として十分な事前知識と交渉力を必要とします。

 もちろん債権譲渡は債権者側の通知でも出来ますのが、既に「債権回収会社」に債権が移っているケースの場合や、空債権(無担保の債権だけが残り、連帯保証人と共に債務が多額に残ってしまっている状況)では、対応の仕方が異なりますので注意が必要です。

 無担保債務のみが大きく残っているケースは、借主、連帯保証人の財無力にもよりますが、いずれは処理、処分出来る着地点を見出せるケースも最近では増えております。

 何百年も債務を抱えたままでは、日本国のためにも、社員、家族のためにもなりません。考えたくない状況になってしまった場合、一度、綺麗に整理し、創業当時をもう一度振り返り、一から出直す覚悟を持つことも重要です。経営者として十分な経験と人脈があるのですから、十分に可能であるはずです。

そうならない為にも、中小企業の経営者として積極的な攻めの経営に徹してください。資金調達の観点から、業績の良い企業、悪い企業と様々な状況の企業と接しますが「覚悟」を持って積極的な展開をし続けている企業は、どんな危機に陥っても挽回するものです。

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