社長のための銀行対策の実務 255号

銀行借入調達の留意点
〜その2 政府系金融機関統合の年

 いよいよ政府系金融機関の統合(平成20年10月スタート)が到来します。

 郵政の民営化に伴い、平成19年より「ゆうちょ銀行」も予定通りスタートしています(10年後に完全民営化)。
 スタートしても中小企業への投融資の取扱いは未だ先のことですので、今年の変更等はありません。今年(平成20年)10月の政府系金融機関の統合及び民営化は予定通り進むものと見込めます。政府系金融機関の全部の詳細は除き、ここでは特に中小企業の取引におなじみの統合・民営化と対応ポイントを述べておきます。

 1.国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・国際協力銀行(一部業務)は、平成19年5月成立の「株式会社日本政策金融公庫法」に基づき、「日本政策金融公庫」1本に統合されます。(沖縄振興開発金融公庫は平成24年度以降統合)

 このコーナーでも何度か取り上げており、もう対応済みだとは思われますが、中小公庫・国金・農林漁業と複数取引があるケースで、一般貸付を中心に借入残高が大きい場合は、今年は調達に時間がかかると思って対応して下さい。政府からは新しい「中小企業支援政策」が打ち出されますので、その政策を注視の上、特殊貸付・特別貸付等の制度的融資を、直接借入の上、できることでしたら、特別措置(例えば担保徴求免除を使った実質無担保融資枠確保)を利用することがベターです。

 いずれにしましても、統合金融機関重複で調達しているようなケースでは、一般貸付枠は減りますので、その対策は必要です。(一般的には新規の一般の中長期運転資金は他の金融機関からの調達となります)

 2.政策投資銀行は、新たに発足する(株)日本政策投資銀行となりますが、従来通りの対応でよろしいかと存じます。(対象が国の政策に寄与するプロジェクト支援のため)

 3.商工組合中央金庫は民営化ですが、店舗数も国内で99店舗もあり、従来より中小企業との取引は積極的です。ただし、この2〜3年、商工中金側で取引中小企業の取引選別化を進めたために、思うように対応してもらえないという中小企業もあることは否めません。
 基本路線は、当座勘定取引も含め積極的に利用していく方針に変わりはありません。

 以上、代表的な取引行をあげましたが、数は少なくなっても「日本政策金融公庫」ぐらいだけは、今後の対応もあり、ある程度のボリュームをもって与信取引をすすめることが重要です。


                            資金コンサルタント 大久保直之


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