社長のための銀行対策の実務 254号

銀行借入調達の留意点
〜その1 業績への注目

 新年がはじまりました。中小企業を取り巻く金融環境が、平成19年秋から暮れにかけ変化しています。特に注目すべき状況と対応は以下の通りですので、今一度、早めの対策をしてみて下さい。

 まず業種です。このところ、このコーナーでも何度もお知らせしておりますが、もう少し具体的に述べてみます。

 1.パチンコホール業!(ホールへの機器納入・関連サービス業を含む)
 従来にはない厳しい調達環境です。多くの金融機関は慎重で、極度額を決定しての対応です。
 大手ノンバンクで、この分野に積極取組の会社も、現在様子見です。業法の改正による機器問題から、いろいろと原因がありますが、改正貸金業法による消費者金融業界の急変化も背景にはあり、業界内も二極化が進んでいます。
 ホールのみでなく、「サービスの広範化・新サービス業」を加えたレジャー産業としてとらえられるところは、事業の計画も具体化しておる限り、比較的金融機関の対応は従来どおりです。
 現金収入が毎日ある業種であることが強みです。
 最近の売上、営業キャッシュフロー等を見ながら、思いきって「返済期間の見直し」等を申し出て、長期返済化することはまず必要なケースで、検討する企業も最近多くなりました。
 以前では考えられなかった業種の対応です。

 2.「特に地方の土木業、建設業」関連
 少なくとも「強み」を強調、具体的に示せることが必要です。「事業の見通しを示せる計画書」を作ることです。
 苦しい環境下、特に耐震問題から発生した、「建築確認の取得の期間延長化」は金融機関側も十分熟知していますので、その対応の公的つなぎ資金制度等も利用しての早めの対策が必要です。なお、地方では公共工事がまた対前年比マイナスとなるところも多くあります。地域に必要、存在必須業種ですから、小さな売上規模になっても残ることは意義あることです。
 金融機関のメイン化は必要ですが、できる地域であれば、新規取引行として預金取引から入り、少し時間をかけてプロパーで「短期借入(プロジェクト等に合わせた期間)」をきっかけとして、取引のパイプを増やす努力も必要です。

 3.不動産業・ディベロッパー等
 この業種も、平成19年秋から急速に、調達に時間がかかっています。
 一般に大口の融資額となることから、目立つ業種ですが、運転資金でも「プロジェクト関連の資金使用」の具体化・明確化、使用資金の管理化を示すことです。
 従来使用していた「当座貸越枠の少額化」や、「コミットメントライン枠の金額の調整」等、多々あるように聞いております。
 状況に合わせ「枠」の確保だけは交渉して下さい。

 4.その他「宝飾関連」・「高額物販業」……
 「高額クレジット支払いによるサービス関連業種」……などの業種は相変わらず厳しい見方をされています。また、急激な「油」の値上がりにより、「石油等の小売業」「原材料の値上げがもろに響く小売業」は、変化も激しく様々な資金繰り上の課題が多く発生しています。

 本年ほど「業種や業態」が注目される年はしばらくぶりです。
 まずは業種が同じでも、「自社の特徴・強み」が時代の流れの近未来を見通せて対応できていることを、金融機関に示せることが必要です。

 業種は産業分類のコード番号により分類されますが、金融機関は税務申告書の一面の「業種」で貴社をみています。最近は、新しい業態の出現・変化により、その実質的内容は多様化しています。


                            資金コンサルタント 大久保直之


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