社長のための銀行対策の実務 238号

借入金利対策特集
〜その3 現状での金融機関との、金利の考え方の乖離〜

 中小企業に対する金利の考え方は、「信用格付による基準金利」が、理論値では求められます。これは、金融機関側からすれば、本来はこの程度の金利はいただきたいという水準値です。
 しかしながらゼロ金利の政策が長かったことや、金融機関どうしの競争、企業側の対応、地域の事情……等もあって、金融機関からいわせれば、現状いまだ上げきれていない(水準に達していない)ケースも多くあります。

 最近、よく耳にする、いわゆる「ビジネスローン」のような事業ローン(無担保でのプロパー融資)は、自動審査方式(オートスコアリング方式)で、自動的に与信の条件(金額・金利……)をできるだけ早く回答・実行するという商品です。

 確かに使い方によっては便利な簡易な商品ですが、いわゆる自動審査ですので、この「ビジネスローン」は、単発ローン商品と考えていただき、基本的には条件変更は無視で完済していく商品として捉えることが、まず必要です。

 多くの金融機関は与信取引の入り口商品として位置づけておりますので、実行された後の仕振り(返済状況……)を見た上で、プロパー融資へと拡大していくのか、当面様子を見るのか……等の判断材料としています。

 ですから、これらのビジネスローンは、与信取引金融機関数を増やす意向の企業にとりましては、入り口商品として使いやすいという効果があります。(ですから、これらのオートスコアリング方式の商品は借りてからあれこれというのではなく、早期の一括弁済も含めての対応の方が現実的です。)

 その他の貸付商品でも、固定金利で借入している場合は、そこそこの条件であれば、長期借入が多いですから、原則は返済を続けていくことが多いはずです。

 さて、その他の貸付金利(変動金利)の上げの交渉が、いろいろなケースで起こっていますので、次からその対応の仕方について探って参ります。

 平成19年8月末現在、短期プライムレートは1.875%〜2.125%(銀行毎によって異なる)、長期プライムレートは、2.55%と数値上は公表されています。
 これらを参考にしてみますと、自社の現状の借入金利が標準なのか、高すぎるのかの判断にはなります。高すぎると感じている場合、業績が芳しくない例がほとんどというのが現実です。

 金利で貸付のリスクを見ているという現象が始まっているということは、認識せざるを得ない時代になっています。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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