社長のための銀行対策の実務 235号

銀行取引と税理士先生の関与
〜その4 新会社法からの関与・「会計参与」等〜

 新しい「会社法」が施行されて、1年以上が経過しました。
 大きな特徴としまして、まず、「公開会社」であるか「株式譲渡制限会社」であるかにより、それぞれのルールが盛り込まれており、「株式譲渡制限会社」が多い中小企業にとって社長の相談相手は、どうしても「税理士」さんが第一人者となるのが最もポピュラーなケースです。
 また、取締役にかなり裁量権を与えることにより、いろいろなケースで実務的にも税理士さんに相談するケースが、一方で増えています。

 そして、何と申しましても、全く新しい設置期間として、会計参与の制度が設けられた点です。

 では最近の、税理士先生の関与が多い具体的ケースから検討してみます。

 1.銀行が「会計参与を設置されたら?……」という提案をしてくる場合
   ←ある程度の規模(例えば売上で30億円以上…)

   金融機関によって会計参与を置くことにより、融資実行金利を優遇したり、実績
   (信用格付)により代表者の個人保証を免除する例があります。
   会計参与には(税理士・公認会計士・税理士法人・監査法人)しかなれません。
   取締役と共同して計算書類を作成し、保存し、責任も重いので、なってくださる
   先生がいるかがポイントです。
   税理士先生も一般的には、相変わらず慎重に受けていらっしゃいますが、IPO
   (株式公開)を目指す企業であれば、必ずデューデリジェンスが必須のため、
   ある段階でおかれたほうがよいと私は考えております。

  2.「デッド・エクイティ・スワップの実務の依頼」

    銀行が信用格付を上げる手段として「デッド・エクイティ・スワップ」(DES)の
    提案をしてくるケースも多々あります。
    その多くは、代表者個人(社長等)が会社に貸し付けている資金(会社にとって
    は借入金)等を現物出資することにより、純資産の部(資本金・資本準備金)に
    振り替え、財務内容を良好にする手続きの相談と税務処理・会計処理方法
    です。
    この手法も一般的になりつつありますので、最近増加しています。

  3.会社の機関設計の変更と対応相談

    ほとんどの中小企業は特段の変更もなく、「会社法」の株式会社に移行して
    いますが、ちょうど1年経ち、いろいろと会社の自由な設計を変更していきたい
    というニーズが出てきたため、今後の事業承継対策を含めて、税理士先生に
    相談してくるケース等です。

 その他多岐にわたってありますが、当該中小企業に関与されている税理士先生方は、今となりましては、「会計参与」制度の新たな導入もあり、中小企業側からの相談には、ある意味では「逃げられない」・「相談には乗らざるを得ない」という状況が続いております。


                            資金コンサルタント 大久保直之


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