社長のための銀行対策の実務 227号

最近の中小企業金融の流れより
〜その1 「新しい外部機関の格付の利用」〜

 借入をしている金融機関による「信用格付」につきましては、すでに中小企業においてもここ数年で確実に根付きました。
 定量分析+定性分析による考え方も、もはや一般的に認知されております。

 この流れはこのままずっと続いていくのですが、今年に入ってから、中小企業が外部の格付機関から格付を取得する動きが、首都圏中小企業を中心に増加してきました。

 以前は、上場はしていなくとも大企業の話で、中小企業が外部格付機関の信用格付を取得するケースは、特別な目的がある以外は、まれでした。

 しかしながら今年に入り、

  1.年商10億円以上
  2.未上場の中小企業
  3.与信行の信用格付が高い企業(正常先)

等のいわゆる中小企業が、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)や格付投資情報センター(R&I)等の、外部信用格付会社から格付を取得するケースが増加しています。

 もちろん費用として、少なくとも年間数十万円は最低かかりますので、どの中小企業も外部格付を取得する必要はありません。

 利用の目的としては、

  ・取引先へのPRや商談時の利用
  ・新規採用者等へのPR(人材獲得目的)

もあるのですが、最近の貸付金利の適用の際に、この外部格付で上位の格付を受けた場合、「貸付金利を特別に優遇する」という金融機関がでてきたことです。
 いわば借入金利の利率の優遇・低利適用を目的とした利用方法が出てきたことに注目しています。

 先般も、あるセミナーの際に、貸出利率が高いとクレームをつけた、中堅の優良中小企業がありました。その折、主要取引行が条件として、外部格付機関を指定した上で、「a」以上(上位)のランクが取得できれば、希望の金利対応は可能だということで、A社は費用対効果で、中小企業として初めてS&P社の格付を取得し、貸出金利の実質下げに成功しています。

 実は一方では、地方銀行などの地域金融機関が、格付会社との仲介を積極化している背景が、最近の現象としてあるのですが、借入金利の対応にも十分利用できることを考慮しますと、業績が良く、財務も良好と思われます中小企業は、一度経験してみることもよろしいと存じます。

 また、貴社の主要取引行に「外部の信用格付」のことも会話の中で話されたり、お聞きになったりしますと、おもしろいと考えます。

 [中小企業向け格付について]
 SME(スモール・アンド・ミディアムサイズド・エンタープライズ)を取得するのが現在一般的です。(現在、51の金融機関が取扱中)
 経営者の面談不要で、2〜3週間の審査期間、費用は1回につき50万円。


                            資金コンサルタント 大久保直之


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