社長のための銀行対策の実務 221号

企業再生への始点
〜その2 「業績悪化」〜

 資金繰等の対応と申しますか、問題の解決が早期で済めば良いのですが、なかなか諸問題の解決が遅れて、業績の悪化が表面化した時が問題です。

 こうなってしまう以前に、与信取引のある金融機関からは、対応策や各種計画表の提出を求められているケースが最も多いので、いわゆる表面化しだします。但し、多くの場合、金融機関は「中小企業の経営者の今後の方針」をよく確かめた上での対応策を検討します。
 そこで直近の決算書(申告書)をスタート時点として、冷静に取引を見直します。

 直近の決算書が問題はあるにせよ

  1.営業利益も適正に確保されている
  2.経常利益ベースでも黒字になっている
  3.例えば社内の改善や諸施策が、計画通り進んでいる
  4.科目毎の大きな異常値も無い
  5.金融機関の説明にきちんと答えられる・・・・・・等

であれば、改善取組が進んでいるという点でも問題は大きくなく、「信用格付け」面でも大きく下がることはないはずです。

 しかしながら

  1.直近時で大きく(例えば2割以上)売上げが減少した
  2.営業利益もマイナスになってしまった
  3.経常利益も大幅な赤字になってしまった
  4.このままでは今期下手をすると「債務超過」に陥ってしまうことが予想される
  ・・・・・・等

の問題が表面化しますと、完全に「再生・経営改善取組必須企業」となってしまいます。まず新規金融機関与信取引は望めません。
 既存取引行も簡単に融資の実行はできません。資金使途も明確にチェックされます。経営改善の指導をメイン取引行から受けるようになります。

 それでも1〜2年程度で明らかに業況が良くなる「具体的計画性」が示せますと、特に地域金融機関(地方銀行・信用金庫等)は、取引先の支援を経営方針にも示しており、「経営支援先」として協力して下さる例も数多くあります。

 このような段階となりますと、与信行へは「経営の全面開示」が条件となりますので、少なくとも決算書の特に直近決算時におけます、バランスシートの精査は一度はされますので、その了解は必要です。

 中小企業の場合は、圧倒的に資産の部の現時点における評価額を再精査することになりますので在庫・商品・貸付金・仮払金・所有不動産・投資有価証券・・・・・などで簿価と大きな乖離もみられ、実質債務超過となるケースも起こりえます。

 これらを把握しての、金融機関の「支援再生取組先」となります。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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