社長のための銀行対策の実務 220号

企業再生への始点
〜その1 「資金繰」〜

 中小企業の場合、具体的にどういう局面から「事業再生」の話が出てくるか? また、その要因があるかと申しますと、引き金はほとんどが「資金繰りが苦しくなった時!」です。

その原因・要因は、販売不振・売掛金の回収の悪化・仕入原価の高騰・外部環境の急激な変化……地域や業種の特殊性を加えますと、山のようにでてきます。

 対応策としまして、最も一般的な一つの方法として、借入金の調達等、有利子負債でまず対応するということになります。

 現在の金融状況では、この段階まではあまり苦労せず、いろいろな金融商品で調達できるはずです。
 それこそ「ビジネスローン」であれば、新規与信取引も含めて、借入調達できるはずですが、それでも1年程度が経過して、業況が好転しないと、いろいろな面から資金繰りを圧迫します。

 まず、現状と近未来の売上・支払いの収支表と資金繰を見直してみて下さい。
 営業利益も確保できて、長期でみれば有利子負債も返済できるケースと、なんとか当面は利払い程度ならできるケースと、それより厳しい状況におかれてしまっているケースと、大きく分けて3パターン程度に分かれます。

 決算書はどうしても過去の話となりますので、資金繰の方が先にシグナルを示します。
 そして短期借入金の長期借入金への引き直しぐらいで対応できるのであれば、そう大きな問題にはならなくて済みます。(ただし、ビジネスローン型商品は単発の商品で中期の借入金になっているケースも多く、そう簡単には条件変更できないことは了承して下さい)

 ビジネスローンの借入比率が高すぎなければ、メインの与信取引行の協力を中心に、個別行との取引対応で何とかなるものです。

 この場合、必ずといって良いほど「経営の改善計画書」の作成が、条件でついてくることだけは覚悟して下さい。
 公的な制度(長期への一本化・信用保証協会付)を利用しての資金繰改善時も「計画書」の作成添付が必要となります。

 資金繰状況からみての予想から、いろいろな状況を読み取れますので、早めの対応が必要です。

 なお、直近までの決算がまずまずであって、そう急激な業容の変化(ダメージ)がなければ、一般的には運転資金の改善・対応における資金繰を検討するということで、取引金融機関もよく相談に乗ってくれるはずです。

 そのためにも、親身になって相談に乗ってもらえる金融機関の存在は必須です。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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