社長のための銀行対策の実務 217号

最近の借入条件変更時の留意点
〜短期借入を中期借入に変更する場合〜

 そもそも短期の借入は、その返済原資が明確に予定されているケースが大半です。また、入金・回収の関係で、資金繰り対応としての運転資金として使われています。
 また、季節性要因の使途によるところが多いとも思われます。

 ですから、短期資金の借入が中期化するということは、理論上はそう多くないはずですが、中小企業の取引の中では、

  1.売上金入金のズレ
  2.売上金の入金の相手方からの分割入金
  3.急な仕入等による支払い
  4.材料費等の先行入荷

等々の理由により、当初借入していた時と状況が変わって、短期で一括にて返済することが厳しくなってきたというケースが、実例では最も多くなっています。

 実務上、多くの中小企業では、銀行側の要請もあり、現在の短期借入金は、ひとまず期日に返済した上で、次の中期資金の調達・借入等を申し込むというのがベターであります。

 そのためには、他行からの借入実行日等をも勘案しながら、実質的に中期借入金にならしていき、返済元金を軽くするという方法が一般的です。
 この方法ですと、資金繰りを見ながら、また複数取引行との通常取引の中で進んでいきますので良いのですが……。

 「手形貸付」で借りた短期資金を期日にジャンプして、何回もジャンプするというケースが金融機関側をも困らせます。1回目のジャンプぐらいはともかくとして、同条件で書き換える場合、次の短期借入金の期日にはいったん完済しておくということが、「金融機関取引の中で信用を増す」とぜひ理解しておいて下さい。
 (企業と金融機関の取引ですから、当然各社ごとの力関係が発生しています。一概には言えませんが……)

 最も困るケースは、短期借入金の本数が何本も複数化してきて、他行の取引振りから考えても、その多数借入金が発生している金融機関にお願いし、頼らざるを得ない時です。

 その時でも多少資金に余力があれば、短期の返済期日に数本は返済して、借入金や借入のための手数を軽減しておくことは必要です。

 しかし、これすら大変の時は、早めに当該取引金融機関と協議の上、無理のないところで、中期3年程度の借入に事実上変更(組替え)していただき対応すれば、そんなに大騒ぎにもならずに済むはずです。

 現在の金融情勢ですと、要注意先以上の取引先であれば、協力的に対応して下さるケースの方が多いはずです。
 ただし、金利は上がるでしょうが……。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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