社長のための銀行対策の実務 213号

中小企業の会計新指針より
〜決算書作成の確認一覧表 その2〜

 「中小企業の会計に関する指針」の適用に関するチェックリストをざっとみていただきますと、各々、自社がどの勘定科目で最も大きな問題をしめているかが明確になると思います。

 それぞれ中小企業の事情があるのも現実ですが、私がこの1年間、いろいろとお話を伺ったり、体験した中での要点をお話ししてみます。

 B/Sの科目等のうち、特に、

  1.金銭債権の貸倒損失・貸倒引当金についての控除や引当金の計上
  2.市場価格のない有価証券の評価額の減額の処理
  3.棚卸資産の評価方法と評価損
  4.経過勘定の処理
  5.固定資産のうち減価償却の方法・額
  6.税効果会計の処理

等によって指針に基づいて精査して、厳密に評価していきますと、場合によっては極端な場合、ヘタをすると債務超過にもなりかねないケースも出てきます。

 とにかく中小企業の場合、ある程度の規模で、業歴が長い企業の場合、とても大きな経常利益が確保されたときのようなケース以外で、一気に処理しようとしますと、本末転倒、何のために行った決算処理かということになってしまいます。

 まず自社の大きな課題、積み残しがあることを押さえてください。一気にやる必要のある特殊なケース以外は、従来通り段階的に処理することです。

 前回のコメントの通り「中小企業の会計」は、望ましい会計処理のあり方を示したもので、現状では義務づけられるものではありません。

 金融機関との、特に借入等の与信取引面を中心に考えた場合、最大のポイントは「信用格付」に基づき、格付けを上げておくことです。(結果的に正常先の債務者区分)

 もっと申しますと、その最大要因は、検査マニュアルでいう定量要因のうちの、営業キャッシュフロー(営業利益+減価償却費)額であります。

 この格付けをにらみながら、いわゆる貸借対照表の資産の評価の現実適正化を図ることが必要と思われます。
 無借金高収益会社以外は、当面はあまりドラスチックに行わない方が良いと思います。

 さて、地方銀行が提出を求めてくるような場合について、次に考えてみます。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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