社長のための銀行対策の実務 209号

2007年注目施策
〜中小企業貸出の1億円までの積極化〜

 先般も少し説明いたしましたが、金融庁は平成19年3月期から適用する自己資本比率の新しい算定基準を公表しました。

 この中で支払いの滞っている(90日以上)貸出先やファンド向けの融資は厳しく査定することになりました。
 [新BIS(国際決済銀行)基準の自己資本規制導入に対応]

 一方、格付けの高い企業・住宅ローン・中小企業融資等はリスク評価を低くしました。以下の表をみて下さい。

 
 


 この中で特に注目できますのは、中小企業の貸出でその残高が1億円以下であれば、従来100としてみていたリスクは75でよいと、デフォルト率等からみて変更されたことです。

 極端な言い方をしますと、従来50百万円以下で取引与信枠を設定していた中小企業に対し、信用格付上のクリアーはあるにしても、1億円までは積極的に貸し込めることが、より可能になったということです。

 そこで、複数行と与信取引をしている中小企業であって、特に従来無担保での融資が、30百万円〜50百万円位でとどまっていた金融機関(特に地方銀行)へは、資金調達の新たな選択肢として使う(申し込んでみる)ことを検討してみて下さい。

 平成19年3月期(平成18年度)からの適用ですので、2月から3月にかけて、それこそ好業績中小企業には、また積極的に金融機関側からのおすすめがあるはずです。

 金利、その他の融資条件(期間……)等で平均借入金利を下げる手段としても、活用してみて下さい。

 また、与信取引行を新たに増加させたい(新規行と与信取引をしたい)中小企業にとりましても、朗報といえます。

 銀行の自己資本比率
 銀行の健全性を測る数値のひとつ。貸出残高や保有有価証券などの資産に対して、資本金や利益準備金などの「自己資本」がどの程度あるのかを示す。
 海外に展開する銀行は8%、国内業務に特化した銀行は4%以上を維持することが求められている。自己資本比率がこの数値を割り込むと、金融庁が改善を求める命令を出す。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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