社長のための銀行対策の実務 205号

資金調達力格差始まる
〜銀行の様子見期間! その1〜

 昨年の中小企業と金融機関との与信取引のなかで、今でもものすごい温度差があることを、目の当たりにした実例をお話しさせていただき、ご参考にして下さればと思っております。

 一つめは、直近決算上の数字は、ある程度の利益もでているのですが、社長が若いこともあり、現在の業態では壁に突き当たると強く感じたため、業歴5年の会社が、事業内容を大きく変換したケースです。

 社長はもちろん一生懸命で新事業にもあたっているのですが、複数の収益の柱があるなかでの新事業取組では、そう大きな取引上の問題にはなりませんが、本業の柱が1〜2本あって、そのすべての事業内容を入れ替えてしまうようなケースでは、現在の取引金融機関の判断では、ほとんど全取引行は1年間(1期間)は様子(業績の推移)をみさせてほしいということで、事実上新規の運転資金も止まってしまう状態です。
 もちろん社長の考え方を批判しているのではありませんが、大きく資金の計画が狂ってしまったという現実が残りました。

 対応策といたしまして、本例では、

  1.社長等の個人からの資金借入
  2.リース等も含めた一部ノンバンクからの調達
  3.少人数私募債発行による資金調達

等で乗り切っています。

 若い社長の事業展開のスピード感覚と、金融機関の慎重なチェックや対応に大きなズレが、未だ現実にはあることを、思い知らされました。

 社長も事前に事業計画書を作成し、少なくともメイン取引行はじめ主要取引行には、説明をしてからの取組であったため、このような状況になることは、深く考えていなかったとのことです。

 金融マニュアル・信用格付けでは、6〜7割は過去の決算書の実績による定量性の要因をみていますが、結局のところ事業内容が大きく変われば、新事業取組会社として、様子・状況を静観してしまうケースがあることに注意して下さい。

                            資金コンサルタント 大久保直之


出版局トップにもどる
日本経営合理化協会 出版局 TEL:03-3293-0041 

7