社長のための銀行対策の実務 204号

資金調達力格差始まる
〜利益の安定性〜

 中小企業間におきましても、銀行の借入調達をみても、その内容等に「格差」が表面化してきました。特に本業での安定的な収益(営業利益+減価償却費)が、好調、またはまあまあの中小企業は、金利等の特段の条件をあげなければ、無担保で随分と楽に調達できるようになっています。

 信用格付制度やCRDデータ(中小企業信用リスクデータ)をもとにしての判断が一般化されてきたことを、本当につくづくと感じます。

 信用保証協会の信用保証料の料率も、9段階と業況によっては随分と軽減してきているお話を、社長様より聞く機会が多くなりました。この信用保証、今年は従来の100%の保証から、80%保証の時代へと入っていきます。保証協会の利用の仕方も、従来の一律から変化することがますます予想されます。

 新規で貸出する与信取引機関も、今までの「ビジネスローン」を中心とした取引のスタートから一歩踏み込み、今年は1億円以下までプロパー融資を行う積極さが予想されます。

 これには金融庁の新BIS(国際決済銀行)導入の中の銀行リスク算定が変わることによる影響が、大きく働いています。

 中小企業向けの1億円以下の貸出リスクも従来100とすると、75と、4分の1ほどリスクを下げて評価できるようになるためです。(一方で「ファンド」や大企業でも経営不振の企業リスク算定は上げています)

 このように中小企業の金融機関と取引の条件も、企業毎の差がでてきています。
 「格差」と申しますと、差別のようにも聞こえますが、個別企業の内容により異なる取引条件となってきたことを認識して下さい。

 当面、格差で表面化するのは、一に貸出金利のアップ、二に新たな融資(折り返しの融資も含む)取組時の条件です。

 業績悪化の企業へは、金利もアップの上、融資実行額も絞る対応をとることが十分予想されますので、各社の特有の事情を勘案の上、早い時期に与信取引行を増やすとか、借入方針、調達資金の方向を変更するとかの対応が必要です。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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