社長のための銀行対策の実務 202号

最近の資金繰り改善成功例より
〜メガバンクとの新規与信取引〜

 C社は食品の製造業です。東北地方の日本海側の市に本社を構えており、数十年の経営実績のある老舗企業です。

 地方銀行2行の他に、政府系金融機関3行、地元の信用金庫2行とも取引があり、金融機関の取引バランスも良好のように見えています。

 C社の悩みはここ数年「売上が減少」していることです。新商品の開発、営業の見直し・強化等、前向き事業対策の他に、固定費削減等、メイン銀行とも協議をしてすすめてきています。

 しかしながら仕入資金がどうしても不自由しています。
 取引行は「売上が前年対比、数年に亘り下がってしまっている現実があるので、結果、借入比率が高く、何とか有利子負債を増加させないよう、我慢の経営をして決算が良くなったら、別途考えましょう……」という、どちらかと申しますと、しばらくは様子見の対応です。

 C社の社長としては、「少なくとも短期の運転資金は内入等もしながら、いわゆる分割して返済しているので、折り返し融資を実行して下されば、借入総額が増え続けることはない……」と説明されるのですが、このところ平行線で来ておりました。

 お話を聞いておりまして、金融機関側の取引での自行の貸出シェアが、相対的に高くなりすぎるという姿勢は、感じることが出来ました。また経営改善のスピードが遅いということも、たびたび言われている点も分かりました。

 それでも売上の規模は、減少してきても10億円以上はありましたので、C社社長と協議した上で、メガバンク(本件では三菱東京UFJ銀行)に相談を持ちかけることにしました。もちろんメガバンクの支社(営業所)はC社本店の所在の県には全くありません。

 なぜこのメガバンクにしたかですが、

  1.メイン取引の地方銀行との親密メガバンクであること
  1.食品製造業について理解して下さること
  1.ビジネスローン程度の借入額(50百万円)で当面の対応が可能なこと
  1.C社の大口取引先(売上先)が本件メガバンクのメイン取引先であったこと
  1.メガバンク営業所がなくても、取扱いを検討して下さる交渉ができたこと

等によるものでした。

 本件資金は、仕入資金に限ることにして、借入を実行していただきました。
 メインの地方銀行も理解して下さり、与信取引行が一行増加した結果となりました。

 メガバンクは本当に数も集約されてまいりました。特に自社と取引振りが合うと申しましょうか?上手くつきあえる先を選択することもベターでしょう。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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