社長のための銀行対策の実務 197号

合理化協会 牟田理事長「社長業 実務と戦略」より
〜借金する時のメドをもつこと〜

 最近は、プロジェクトファイナンスをノンリコースローン(非遡及型ローン・事業収支のみの担保)で取り組む不動産開発事業等の取組が、大都市圏で盛んになっています。そのプロジェクトの事業収支のみで、いわゆる借入が精算できる場合はともかくとしまして、多くの中小企業の場合は、企業そのものの負債として存在しています。

 現在、ほとんどの金融機関が積極貸付ですから、一時的に借入をおこすことはたやすい状況下ではあります。しかしながら「経常利益が出なければ借金は返せない」ということも現実ではあります。

 では「一般論」として、またいわゆる「金融検査マニュアル上」として、どの程度のメドがいわれるのかを少し紹介してみます。

 1.正常な運転資金
   正常な運転資金の算定方式(一般的な製造業・卸・小売業の場合)
   =売掛債権(売掛金+受取手形(割引手形は除く))+棚卸し資産(不良在庫
    は除く)−仕入債務(買掛金+支払手形(設備支払分は除く))
  この範囲内を目安とすると良いと思われます。(金融検査マニュアルの考え方)

 2.短期の運転資金は月商の3倍程度
   (保証協会付などではよくいわれています)

 3.特殊な設備投資は別として、総借入額が売上金の30%以内
   (経験的にみましても、売上金の30%程度の借入金であれば、
    長・短組み替えも含め調整しやすいはずです)

 4.債務償還年数の考え方
   〔短期・長期借入金+社債(有利子債)〕÷〔当期:減価償却実施額+
    営業利益〕=(年)
   この年数が例えば5年以内であれば、いわゆる中小企業の信用格付チェック
   上も高配点となります。

 その他、分析をする計算式は、たくさんございますが、上記のことを念頭におかれまして「借金のメド」とすることが一般的だと思われます。

 なお、優良の中小企業の場合は、上記の考え方はともかくとして、「金融機関側から大口無担保貸付の提案」や「いわゆる金融機関側からのお願い貸付金」等も数多くお話を聞く機会が多いのも現実です。

 「金融機関との総合的な取引」、特に「与信取引」のなかでどう対応するかを検討されることです。

                            資金コンサルタント 大久保直之


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