社長のための銀行対策の実務 174号

「詐欺的新商品にご注意を!
〜その2 未公開株式の売買〜

 最近、私どもの周辺で最も問題となっていますのは、未公開の段階での会社が近い将来必ず上場するので、1株60万円とか100万円とかのべらぼうな株価で購入してしまったというケースです。中小企業の社長へも、「儲かります」という投資効果はもちろんのこと、「いざという時は、有価証券として金融機関からの借入の際の担保として使えます……」というセールスにつられて、つい購入してしまったケースが実に多いのです。

 ほとんど中小企業の場合は、オーナー個人の名義や親族の名義となっています。
 さて問題は、だれからどういうルートで購入されたかであります。

 証券会社や登録を受けた会社等、正規のルートでは全くありません。全件が、まずは電話による「投資のご案内……」という電話セールスがはじめです。

 そして、当該株式の発行会社をよく調べたり、問い合わせることもなく、きれいなパンフレットや上場予定の記事で振込をしてしまってから問題が表面化します。

 多くの会社は、上場を目指して第三者割当等により増資し、その株券が流通してしまっているため、全くの偽造株券が出回っているというわけではありません。高い株券(株価)で未公開会社の株式を購入してしまったということです。その後売却したくとも簡単に売れません。

 金融機関は現在でも未公開の株式を有価証券の担保としてみることは、まずありません。あくまでも上場(IPO)してからの有価証券の流通性と時価において担保となりえています。

 どうか見ず知らずのルートによる未公開株式の購入は控えて下さい。

 もちろん、昔からの取引先とか銀行や証券会社が窓口となっている有価証券投資は、きちんとした説明があります。

 未公開の会社であっても、取引先に株式を持っていただくケースは増えております。よく知っている先か、または相手会社の状況をよく知っていることが必須の投資要件となります。

資金コンサルタント 大久保直之


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